【問】 Aは、Bに対して900万円の債権(期限の定めはない)を有しており、Bの債務を実際に担保するために、Cが連帯債務者、Dが連帯保証人となっている(負担部分に関する特約はない)。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1  AがBに対して履行の請求をした場合、BだけでなくCも履行遅滞となるが、Dには何の効果も生じない。

2  AのBに対する債権が時効により消滅した場合、Cの債務とDの債務もこれにより消滅する。

3  C及びDがAに対して反対債権を有している場合、連帯債務者Bは、Aの自己に対する債権をCの負担部分の範囲で債務の履行を拒むことができるが、主たる債務者Bは、Dの反対債権で相殺することはできない。

4  AがBに対して債務を免除した場合、CもDもこれにより債務を免れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】   正解    3

l  誤り。連帯債務者の1人に対する請求は、他の連帯債務者に及ばない (相対効)。また、連帯保証も保証と同じく附従性を有するから、主債務者に対する請求の効力は保証人にも及ぶ。よって、AのBに対する請求の効果は、Cに及ばないがDには及ぶ。

2  誤り。連帯債務者の1人について消滅時効が完成した場合、他の連帯債務者に及ばない (相対効)。主たる債務が消滅すれば保証債務も消滅する。よって、主債務の時効消滅により、Dの債務は消滅する(附従性)。

3  正しい。連帯債務者の1人(C)が反対債権を有している場合、その負担部分の範囲で、他の連帯債務者は債務の履行を拒むことができる(民法436条2.項)。主債務者が連帯保証人の反対債権で相殺することはできない。

4  誤り。連帯債務者の1人が債務を免除された場合、他の債務者に及ばない (相対効)。Dは附従性により債務を免れる(附従性)。