【問】 建築物の構造に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 木造2階建の建築物で、隅柱を通し柱としない場合、柱とけた等との接合部を金物で補強することにより、通し柱と同等以上の耐力をもつようにすることができる。

2 平面形状が長方形の木造建築物の壁は、多くの場合張り間方向とけた行方向とで風圧力を受ける面積が異なるので、それぞれ所定の計算方式により算出して耐力壁の長さを決める必要がある。

3 鉄骨造は、自重が重く、靱(じん)性(粘り強さ)が大きいことから大空間を有する建築や高層建築の骨組に適しており、かつ、火熱による耐力の低下が比較的小さいので、鋼材を不燃材料等で被覆しなくても耐力構造とすることができる。

4 鉄筋コンクリート造における柱の帯筋やはりのあばら筋は、地震力に対するせん断補強のほか、内部のコンクリートを拘束したり、柱主筋の座屈を防止する効果がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 3

1 正しい。木造2階建の建築物の隅柱が管柱であっても、その柱と桁及び胴差しとの接合部を金物で補強することによって通し柱と同等以上の耐力を得ることができる。

2 正しい。木造建築の平面が長方形の場合は、一般に外周壁の面積は短辺方向より長辺方向のほうが大きく、風圧力は外周壁及び屋根の面積の大きさに比例するので、耐力壁の量はおのおのの方向によって検討する必要がある。

3 誤り。鉄骨造は、自重が比較的軽く、鋼材の強度が大きいので、大空間建築や超高層建築等の骨組みに適しているといえる。しかし、鋼材は火熱に弱く約500℃で強度が半減するので、耐火構造にするためには鉄骨骨組を不燃材料で被覆しなければならない。

4 正しい。鉄筋コンクリート造における柱の帯筋や梁のあばら筋は、地震力に対する煎断補強として必要なものであり、さらに柱のコンクリートを拘束したり柱主筋の座屈を防止する効果もある。その有効性は、阪神・淡路大震災においても再認識されている。