【問】 Aの債務についてBが連帯保証をした場合と連帯債務を負担した場合(負担部分は全部A)を対比した次の記述のうち、民法の規定によれば誤っているものはどれか。

1 債権者がBに履行の請求をした場合、いずれの場合も、Aにその効力は及ばない。

2 債権者がAに対して履行の請求をした場合、その効力は連帯保証人Bに及ぶが、連帯債務者Bには及ばない。

3 Aが債権者に反対債権を有する場合、Aが相殺しないうちに、債権者がBに履行を請求したときは、Bは、債務の履行を拒むことができる。

4 いずれの場合でも、債権者がAの債務の期限を猶予したときは、Bについても猶予の効力が及ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 4

1 正しい。連帯債務者Bに対する履行の請求は相対的効力であるのでAに及ばない。連帯保証人Bに対する履行の請求も同様である。

2 正しい。Aに対する履行の請求は附従性により連帯保証人Bに及ぶ。

3 正しい。この場合、連帯債務者Bは、Aの負担部分の範囲内で履行を拒むことができる。連帯保証人Bも主たる債務者が債務の履行を免れる限度において、保証債務の履行を拒むことができる。

4 誤り。連帯債務の場合は期限の猶予は相対的効力しか有しないので(440条)、Bには効力を生じないが、連帯保証の場合は保証債務の附従性によりBについても猶予の効力が及ぶ。