【問】 建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「区分所有法」という)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 区分所有者から専有部分を賃借している者は、その専有部分を保存するために必要な範囲内で、他の区分所有者の専有部分の使用を請求することができる。

2 区分所有法第62条第1項に規定する建替決議は、集会において、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数により行うことができるが、この決議の要件は規約で別段の定めをすることができない。

3 専有部分の占有者による共同生活上の障害が著しく、その障害を除去して共同生活の維持を図ることが困難である場合には、区分所有者の全員または管理組合法人は、区分所有者及び議決権の4分の3以上の多数による集会の決議で、訴えにより、その占有者に係る契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる。

4 区分所有者から専有部分を賃借している者は、集会の会議の目的である事項について利害関係を有するときは、集会に出席することができるが、議決権を行使することができない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 1

1 誤り。区分所有者は、その専有部分または共用部分の保存または改良のため、必要な範囲内で他の区分所有者の専有部分等の使用を請求することができるが(建物の区分所有等に関する法律6条2項)、専有部分の占有者にはそのような権利は認められない。

2 正しい。建物の建替えは、集会において区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数による決議で行うことを要し、この決議の要件は規約で別段の定めをすることはできない(62条1項)。

3 正しい。占有者に対する引渡請求等に関する訴えは、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要である(60条)。

4 正しい。専有部分の占有者は、集会の決議の目的である事項について利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができるが、議決権は区分所有者にあり、専有部分の占有者には議決権はない(44条1項、38条)。