【問】 宅地建物取引業者A社に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 A社は、宅地の売買の専任媒介契約を締結し、指定流通機構に登録を行った物件について売買契約が成立した場合は、遅滞なくその旨を指定流通機構に通知しなければならず、当該通知を怠ったときは指示処分を受けることがある。

2 A社は、業務上知り得た秘密について、正当な理由がある場合でなければ他にこれを漏らしてはならないが、A社の従業者aについても、aが専任の取引士であるか否かにかかわらず同様に秘密を守る義務を負う。

3 A社が自ら3,000万円の宅地の売主となる場合、手付金の保全措置を講じれば、宅地の引渡し前に手付金として900万円を受領することができる。

4 A社がその事務所ごとに備えることとされている帳簿の記載は、一定の期間ごとではなく、宅地建物取引業に関し取引のあったつど一定の事項を記載しなければならないこととされている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 3

1 正しい。宅建業者は、専任媒介契約を締結し、指定流通機構に登録を行った物件について売買契約が成立したときは、遅滞なくその旨を指定流通機構に通知しなければならない(宅建業法34条の2第7項)。この通知を怠ったときは指示処分を受けることがある(65条1項)。

2 正しい。宅建業者は、正当な理由がある場合でなければ、業務上知り得た秘密を他に漏らしてはならない(45条)。また宅建業者の従業者も同様の義務を負う(75条の2)。したがって、A社もその従業者aも秘密を守る義務を負う。

3 誤り。宅建業者が自ら売主となる契約においては、代金の10分の2を超える手付を受領することはできない(39条1項・2項)。本肢においては、3,000万円の10分の2である600万円を超える手付金を受領することはできない。

4 正しい。宅建業者は、事務所ごとに備える帳簿に、宅地建物取引業に関し取引のあったつど、その年月日、その取引に係る宅地又は建物の所在及び面積等を記載しなければならない(49条)。