【問】 建物の区分所有等に関する法律(以下この問において「区分所有法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 共用部分の保存行為については、各区分所有者は、いかなる場合でも自ら単独で行うことができる。

2 建物の価格の3分の1に相当する部分が滅失したときは、規約に別段の定め又は集会の決議がない限り、各区分所有者は、自ら単独で滅失した共用部分の復旧を行うことはできない。

3 建物の価格の3分の2に相当する部分が滅失したときは、集会において、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる。

4 区分所有法第62条第1項に規定する建替え決議は、規約で別段の定めをすれば、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数により行うことができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 3

1 誤り。共用部分の保存行為は、各共有者がすることができる(建物の区分所有等に関する法律18条1項ただし書)が、規約で別段の定めをすることを妨げない(18条2項)。

2 誤り。3分の1に相当する部分は、2分の1以下に相当する部分であるから、各区分所有者は、自ら単独で滅失した共用部分の復旧を行うことができる(61条1)。

3 正しい。3分の2に相当する部分は2分の1を超えており、同法61条1項本文に規定する場合ではないから、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数で、滅失した共用部分を復旧する旨の決議をすることができる(61条5項)。

4 誤り。建替え決議は、区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決する。規約で別段の定めをすることはできない。