【問】 宅地建物取引業者Aは、自ら売主となって、宅地を宅地建物取引業者でない買主Bに代金6,000万円で売却する契約を締結した。この場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。
l AがBから手付金として1,300万円を受領した場合、たとえ、その際に保険事業者と保証保険契約を締結して当該保険証券をBに交付していたとしても、Aは宅地建物取引業法に違反する。
2 AとBが双方の債務不履行による契約解除に伴う損害賠償の額を1,500万円と予定した場合、1,500万円全額について無効となる。
3 AがBと当該宅地の品質に関して契約内容に適合しない場合の売主の担保責任を負う期間を引渡しの日から1年とする特約をした場合、その特約は無効となり、Bは当該不適合を知った時から1年以内にAに通知すればよい。
4 AがBとの契約の前に、当該宅地について宅地建物取引業者であるCと売買契約を締結しようとしたが、Cが手付金を用意していなかったので、手付金の分割払いを条件にAがCに契約締結の誘引をはかった場合、実際には契約の締結をしなかった場合でも、Aは、宅地建物取引業法に違反する。
【解答】 正解 2
1 正しい。宅建業者は、自ら売主となる売買契約の締結に際し、代金の10分の2を超える手付金を受領することはできない。保全措置を講じていたとしても違反する。
2 誤り。代金の10分の2を超える損害賠償額の定めをした場合は、10分の2を超える部分が無効となる。全額無効となるわけではない。
3 正しい。担保責任を引渡しの日から、1年と定めた場合は無効となり、民法の原則にしたがって、買主は当該不適合を知った時から1年以内に通知すればよい。
4 正しい。業者間においても、手付についての貸付けその他の信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為は、契約締結の有無にかかわらず規制の対象となる。