【問】  宅地建物取引業者であるA社は、宅地建物取引業者でないBからB所有の戸建住宅について売却の媒介を依頼され、これを承諾した。そして、A社とBとの間で、BはA社以外の他の宅地建物取引業者に重ねて売買もしくは交換の媒介または代理を依頼することができない旨の約束がとりかわされた。この場合、宅地建物取引業法の規定によれば、次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 この媒介契約において、A社がその業務の処理状況を15日に1回Bに報告する旨の定めをしたとしても、宅地建物取引業法に違反しない。

2 A社は、この戸建住宅の売出し価額についてBに意見を述べる際に、特にその根拠を示す必要はない。

3 A社とBの間でこの媒介契約の有効期間を5ヵ月と約束した場合、この特約は無効であり、有効期間は3ヵ月となる。

4 この戸建住宅の売買契約が成立した場合にBがA社に支払う報酬額は、売買契約締結後に交付すべき書面に記載すれば足り、あらかじめA社がBとの間の媒介契約時にBに交付すべき書面に記載しておく必要はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 3

1 誤り。専任媒介契約にあっては、業務の処理状況を2週間に1回以上報告することが義務づけられている(宅建業法34条の2第6項)。15日に1回は宅建業法違反である。

2 誤り。一般媒介契約の場合でも専任媒介契約の場合でも、売出し価額について意見を述べる際には根拠を明示しなければならない(同条2項)。

3 正しい。専任媒介契約の有効期間は、3ヵ月を超えることができない(同条3項)。これに反する特約は、無効となる(同条7項)。5ヵ月とする特約は無効であり、有効期間は3ヵ月となる。

4 誤り。報酬に関する事項は、媒介契約が成立した際にあらかじめ書面化して相手方に交付しなければならない事項である(同条1項5号)。同法37条の書面に記載すべき事項とはされていない。