3.免許の取消し処分(特に重要)

(1) 免許権者等は宅建業者が次のいずれかに該当した場合には、免許を取り消さなければならない(聴聞必要)(66条)。
(ア) 成年被後見人・被保佐人・破産者となったとき
(イ) 禁錮以上の刑に処せられたとき(執行猶予付刑も含む)
(ウ) 宅地建物取引業法の規定に違反し罰金の刑に処せられたとき
(エ) 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に違反し、または傷害罪、傷害現場助勢罪、暴行罪、凶器準備集合罪、脅迫罪、背任罪、もしくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられたとき
(オ)・暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律2条6号に規定する暴力団員等になった場合
   ・暴力団員等がその事業活動を支配する者であった場合
(カ) 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む)、法人業者の役員もしくは支店長等、個人業者の支店長等が上記(ア)~(エ)に該当したとき
(キ) 免許換えすべき場合に該当しながら免許換えをしなかったとき
(ク) 免許を受けてから1年以内に事業を開始しないとき、または引き続いて1年以上事業を休止したとき(正当な理由の有無問わず)。
(ケ) 廃業等の届出がなくて、廃業等の事実が判明したとき
(コ) 不正の手段により免許を受けたとき
(サ) 業務停止処分の事由の一つに該当し情状が特に重いとき
(シ) 業務停止処分に違反したとき

● 上記(コ)(サ)(シ)業法66条8・9号に該当し免許取消処分を受けた業者又は法人業者の聴聞の期日等前60日以内に役員であった者は、免許取消しの日から5年間は個人的にも免許が受けられない。このような免許取消しの日から5年を経過していない元宅建業者又は役員が他の宅建業者の役員又は政令で定める使用人に就いた場合には、その宅建業者の免許は取り消される。もちろん、免許を受けることもできない

とことん覚える!

●上記のいずれかに該当した場合には必ず免許は取消しされる。

(2) 免許取消処分はできるが、必ずしも取消処分をしなくてもよい場合
① 免許を受けた宅建業者が、免許の日から3カ月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないために免許権者から届出すべき旨の催告を受け、その催告が到達した日から1ヵ月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしないとき(取消しする場合は聴聞不要)。
② 免許を受けた宅建業者の事務所の所在地を確知できないとき又はその旨を官報または都道府県の公報で公告し、公告の日から30日を経過してもその宅建業者から申出がないとき(取消しする場合は聴聞不要)(公告による免許取消)(業法67条)。
③ 免許に付された条件に違反したとき

(3) 免許の取消処分ができるのは、その業者の免許権者等だけである。

免許取消

(4)内閣総理大臣との協議等
国土交通大臣が、その免許を受けた宅建業者に対して、消費者庁と共管する規定に違反したことを理由に一定の監督処分をしようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない(71条の2第1項)。
この場合、内閣総理大臣は、国土交通大臣の免許を受けた宅建業者の相手方等の利益の保護を図るため必要があると認める一定の場合には、国土交通大臣に対し、一定の監督処分に関して、必要な意見を述べることができる(71条の2第2項)。
そして、内閣総理大臣は、国土交通大臣免許の宅建業者の相手方等の利益の保護を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、資料の提供、説明その他必要な協力を求めることができる(75条の3)。