とことん覚える!【重要度B】
業者に対する監督処分(指示、業務停止、免許取消し)、取引士に対する監督処分(指示、事務禁止、登録の消除)を行う前には、原則として、あらかじめ聴聞を行わなければならない。
(1) 国土交通大臣または都道府県知事は、監督処分に係る聴聞を行う場合にあたっては、期日の1週間前までに、行政手続法の規定による通知をし、かつ、聴聞の期日・場所を公示しなければならない(法69条2項、16条の15第3項~第5項)。
(2) 指示処分、業務停止処分、免許取消処分(法67条の公告による取消しを除く)、取引士等に対する監督処分については、行政手続法の手続の区分にかかわらず、公開の聴聞手続が必要である(法69条1項)。
(3) 公開による聴聞は「釈明及び証拠の提出の機会を与えるため」に行われ、代理人が出頭してもよい。
本人または代理人が正当な理由がなく聴聞の期日に出頭せず、かつ、陳述書・証拠書類等を提出しない場合などにおいては、改めて、これらの者に意見を述べさせるなどの機会を与えることなく、聴聞を終結することができる(行政手続法23条1項)。
(4) 公告は、国土交通大臣にあっては官報で、都道府県知事にあっては公報で行う。公告が必要なのは、宅建業者の業務停止・免許取消(公告による免許取消の場合を除く)に限られる。
監督処分につき、事前の公開による聴聞と事後の監督処分をした旨の公告が必要かどうかについては、次の表を参照。
処分の対象 | 宅地建物取引業者 | 取引士等 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
処分の種類 | 指示 | 業務の停止 | 免許の取消(公告による免許の取消を除く) | 指示 | 事務の禁止 | 登録の消除(申請等に基づく登録の消除を除く) |
聴聞 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
公告 | - | ○ | ○ | - | - | - |
※ ○印はその手続が必要
※ 公告が必要なのは業務の停止と免許の取消です。
(5) 免許権者又は知事への通知等
① 指示または業務停止を行った都道府県知事は、遅滞なく、その旨を、処分を受けた者が国土交通大臣免許業者であるときは、国土交通大臣に報告し、他県知事免許業者であるときは、免許をした他の都道府県知事に通知しなればならない。
② 国土交通大臣が指示、業務停止または免許取消処分を行ったときは、遅滞なく、その旨を、処分を受けた宅建業者の事務所の所在地を管轄する知事に通知しなければならない。
③ 指示、事務禁止処分をした都道府県知事は、遅滞なく、その旨を、その取引士の登録をしている知事に通知しなければならない。