担保物権の種類

担保物権とは、債権の回収を確保するためのものです。
民法で定める担保物権には、留置権・先取特権・質権・抵当権がある。このうち、留置権・先取特権は法律の規定によって成立するので、法定担保物権という。これに対し、質権と抵当権は契約で成立するので、約定担保物権という。

担保物権の性質

担保物権には、次のような性質がある。
① 附従性……債権がなければ成立せず、債権が消滅すれば担保物権も消滅する。抵当権の1種の根抵当権は例外。
② 随伴性……債権が移転すれば、担保物権も移転する。抵当権の1種の根抵当権は例外。
③ 不可分性……担保物権は、債務の全部の弁済があるまでは、目的物の全体に効力が及ぶ
④ 物上代位性……建物が火災で焼失した場合に、担保物権の効力は火災保険金の上に及ぶ。すなわち、目的物に代わる価値(火災保険金や売却代金・賃料)の上に及ぶこの性質は、留置権にはない