【問】 Aが土地を所有している場合の相隣関係に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1  Aは、当該土地に賃貸マンションを築造するときは、原則として隣地との境界線から50センチメートル以上離さなければならない。

2  公路に出られない土地(袋地)を譲り受けた者は、所有権移転の登記を経る前であっても、公路に出るためにその周りの土地(囲繞地)を通行することができる。

3  Aは、隣地の竹木の枝が境界線を越えて自己の所有地に入ってきたときは、その竹木の所有者にその枝を切り取らせることができる。

4  土地の分筆により袋地となった土地の所有者は、公路に出るために、その分筆後の残余地を通行する権利を有するが、その残余地が第三者に譲渡された後には、他の囲繞地についても通行することができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】   正解    4

l  正しい。建物を築造するには、原則として、隣地との境界線から50cm以上距離をおかなければならない(民法234条1項)。

2  正しい。袋地の所有者は所有権の登記がなくても、公路に出るために、囲繞地を通行することができる(210条)。

3  正しい。隣地の竹木の枝が境界線を越えて自己の所有地に入ってきたときは、その竹木の所有者にその枝を切り取らせることができる。根が越えてきたときは自分で切り取ることができる。

4  誤り。土地の分筆により袋地となった土地の所有者は、公路に出るために、その分筆後の残余地のみを通行することができる。残余地が譲渡された場合も同様である。囲繞地を通行することはできない(判例)。