【問】 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、甲県内に本店と支店aを設置して営業しようとし、又は営業している場合の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。

ア Aが、甲県知事から営業保証金の供託の届出をすべき旨の催告を受けたにもかかわらず、その催告が到達した日から1月以内に届出をしない場合、Aは、実際に供託をしていても、免許の取消処分を受けることがある。

イ  Aと支店aで宅地建物取引業に関する取引をした者は、その支店aにおける取引により生じた債権に関し、500万円を限度として、Aの供託した営業保証金の還付を請求することができる。

ウ  Aが、新たに甲県内に支店bを設置したが、同時に従来の支店aを廃止したため、事務所数に変更を生じない場合、Aは、新たに営業保証金を供託する必要はない。

エ  Aが支店aを廃止し、営業保証金の額が政令で定める額を超えた場合において、Aは、その超過額について、還付請求権者に対し所定の期間内に申し出るべき旨の公告をし、その期間内に申出がないとき、当該超過額を取り戻すことができる。

 

1  なし

2  一つ

3  二つ

4  三つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】   正解    2

ア  正しい。免許権者からの催告が到達した日から1ヵ月以内に営業保証金を供託した旨の届出をしない場合は、免許を取り消される場合がある(宅地建物取引業法25条7項)。

イ  誤り。宅建業者と宅建業に関し取引した者は、宅建業者が供託した営業保証金(本肢では本店1,000万円、支店a分500万円の計1,500万円)について、その債権の弁済を受ける権利を有する(同法27条1項)。

ウ  正しい。支店bを設置しても、同時に従来の支店aを廃止すれば、営業保証金の供託額は同じであり、新たに営業保証金を供託する必要はない(同法25条2項)。

エ  正しい。一部の事務所を廃止したため、営業保証金の超過額を生じた場合には、公告をし、その期間内に申出がないときは、当該超過額を取り戻すことができる(同法30条1項・2項)。

よって,誤っているものはイの一つで2が正解である。