(1) 都市計画区域とは、都市計画を策定すべき区域であり、各種の行為規制と市街地開発事業、都市施設の整備が行われる区域である(法4条2項)。
住みよい街をつくるには、ひとまとまりの街として、総合的に整備・開発・保全を図っていくために、街づくりのための規制を加えたり、公共施設を整備したり、開発を行ったりと、いろいろなプランを実施していくことになります。
このように積極的に住みよい街をつくっていこうというところを都市計画区域といいます。
(2) 都市計画区域はどこに指定するのか
① 市または人口等が一定の要件に該当する町村の市街地を含み、かつ、一体の都市として総合的に整備、開発、保全する必要がある区域(法5条1項)。
② 新たに住居都市、工業都市、その他の都市として開発し、及び保全する必要がある区域(5条2項)。
(3) 都市計画に関する基礎調査
都道府県は、都市計画区域においておおむね5年ごとに都市計画に関する基礎調査を行わなければならないとされている。見直しの必要性が出てくるからです。
この場合において、都道府県は、関係市町村に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる(法6条)。
(4) 都市計画区域を指定するのは誰か(指定権者)
【重要度B】
① 1つの都道府県内において都市計画区域を指定する場合は都道府県です。
都市計画区域は、行政区画とは関係なく定められます。したがって、市と市にまたがったり、市と町にまたがって定めることができます。
② 2以上の都府県にまたがる都市計画区域を指定する場合は、国土交通大臣です。
都と県にまたがったり、県と県にまたがるような場合です。
(5) 都市計画区域の指定手続き
【重要度B】
① 都道府県が指定する場合
都道府県は、都市計画区域の原案をまとめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴くとともに、国土交通省令で定めるところにより国土交通大臣に協議し、その同意を得て都市計画区域を指定する(5条3項)。
そして、都市計画区域の名称と区域を都道府県が公告する。
※ 必ず国土交通大臣の同意を得なければならない。
② 国土交通大臣が指定する場合
国土交通大臣は、あらかじめ関係都府県の意見を聴いて都市計画区域を指定する。この場合において、関係都府県が意見を述べようとするときは、あらかじめ、関係市町村及び都道府県都市計画審議会の意見を聴かなければならない(同条4項)。
そして、都市計画区域の名称と区域を公告する。