【問】 土地区画整理事業の仮換地の指定に関する次の記述のうち、土地区画整理法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 施行者は、仮換地を指定した場合において、特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生日と別に定めることができる。

2 仮換地となるべき土地について質権や抵当権を有する者があるときは、これらの者に仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知しなければならない。

3 土地区画整理組合が仮換地を指定した場合において、当該処分によって使用し又は収益することができる者のなくなった従前の宅地については、換地処分の公告がある日までは、当該宅地の存する市町村がこれを管理する。

4 土地区画整理組合は、仮換地を指定しようとする場合においては、あらかじめ、その指定について、土地区画整理審議会の意見を聴かなければならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 1

1 正しい。施行者は、仮換地を指定した場合において、その仮換地に使用又は収益の障害となる物件が存するときその他特別の事情があるときは、その仮換地について使用又は収益を開始することができる日を仮換地の指定の効力発生の日と別に定めることができる(土地区画整理法99条2項)。

2 誤り。仮換地となるべき土地について「使用収益権」を有する者があるときは、これらの者に仮換地の位置及び地積並びに仮換地の指定の効力発生の日を通知しなければならない(98条6項)。したがって、質権を有する者には通知しなければならないが、抵当権を有する者には通知する必要がない。

3 誤り。仮換地の指定により、使用し又は収益することができる者のなくなった従前の宅地については、そのなくなった時から換地処分の公告がある日まで、「施行者」がこれを管理する(100条の2)。土地区画整理組合が施行する土地区画整理事業では、施行者である当該組合が管理する。

4 誤り。土地区画整理組合は、仮換地を指定しようとする場合には、あらかじめ、その指定について、総会若しくはその部会又は総代会の同意を得なければならない(98条3項)。土地区画整理審議会の意見を聴かなければならないのは、個人施行者及び土地区画整理組合以外の施行者の場合である。