【問】 地価公示法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 土地鑑定委員会は、公示区域内の標準地について、毎年1回、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、公示する。
2 土地鑑定委員会が、標準地の選定のために他人の占有する土地に立ち入ろうとする場合、必ず土地の占有者の承諾を得なければならない。
3 不動産鑑定士は、公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示価格と実際の取引価格のうち、いずれか適切なものを規準としなければならない。
4 公示価格を規準とするとは、対象の土地の価格を求めるに際して、当該対象土地に最も近い位置に存する標準地との比較を行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいう。
【解答】 正 解 1
1 正しい。土地鑑定委員会は、公示区域内の標準地について、毎年1回、2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行って、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示することとされている(地価公示法2条1項、施行規則1条)。
2 誤り。土地鑑定委員は、標準地の選定のために他人の占有する土地に立ち入ることができる(22条1項)。ただし、その場合、立ち入ろうとする日の3日前までに、その旨を土地の占有者に通知しなければならない(22条2項)。
3 誤り。不動産鑑定士は、公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、公示された標準地の価格(公示価格)を規準としなければならない(8条)。
4 誤り。公示価格を規準とするとは、対象土地の価格を求めるに際して、当該対象土地とこれに類似する利用価値を有すると認められる一又は二以上の標準地との位置、地積、環境等の土地の客観的価値に作用する諸要因についての比較を行い、その結果に基づき、当該標準地の公示価格と当該対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいう(11条)。