【問】 宅地建物取引業者A社(甲県知事免許)の営業保証金に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、A社は、甲県内に主たる事務所と三つの従たる事務所を設置して事業を営んでいるものとする。
1 A社が販売する新築分譲マンションの設備工事を行った設備工事業者Bは、その設備工事代金の支払債権に関し,A社が供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有しない。
2 A社が、不正の手段により免許を受けたことを理由として免許を取り消された場合であっても、A社は、営業保証金を取り戻すことができる。
3 A社が、営業保証金が還付されたため、甲県知事から不足額を供託すべき旨の通知書の送付を受けたときは、A社は、その日から2週間以内に不足額を供託しなければならない。
4 A社の支店でA社と宅地建物取引業に関する取引をした宅地建物取引業者Cは、その取引により生じた債権に関し、2,500万円を限度として、A社が供託した営業保証金からその債権の弁済を受ける権利を有する。
【問】 正解4
1 正しい。営業保証金から還付を受けることができるのは、「宅建業の取引から生じた債権」である。工事代金債権は、「宅建業の取引から生じた債権」ではない。よって、設備工事業者Bは、A社が供託した営業保証金からその債権の弁済を受けることはできない。
2 正しい。不正の手段により免許を受けたことを理由として免許を取り消された場合であっても、営業保証金を取り戻すことができる。
3 正しい。業者が不足額を追加供託するのは、免許権者から不足通知を受けた日から2週間以内である。
4 誤り。A社は、主たる事務所と三つの従たる事務所を設置している。とすれば、主たる事務所の1,000万円と従たる事務所の1,500万円の合計2,500万円を営業保証金として供託しているが、Cは宅地建物取引業者であるから、A社が供託した営業保証金からその債権の弁済を受けることはできない。