【問】 時効の更新に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 被保佐人が、保佐人の同意なしにした権利の承認は、時効の更新の効果を生じない。
2 裁判上の請求は、訴え却下の判決が確定したときは、時効の更新の効果を生じない。
3 裁判上の請求により完成が猶予された時効は、その勝訴裁判が確定した時に更新され、新たに進行を開始する。
4 10年より短い消滅時効期間の定めのある債権でも、その債権が裁判上の和解により確定している場合には、その消滅時効の期間は、10年となる。
〔問〕 正 解 1
1 誤り。被保佐人が保佐人の同意を得ないで単独でなした権利(債務)の承認は、時効の更新の効力を生じる(152条2項)。
2 正しい。裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の更新の効果は生じないが、その時点から6か月を経過するまで時効の完成が猶予される(147条)。
3 正しい。裁判上の請求によって完成が猶予された時効は、裁判によって権利が確定した時点で更新され、新たに進行を開始する(147条)。
4 正しい。確定判決によって確定した権利は、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は10年とされ、裁判上の和解によって確定した場合も同じである(169条1項)。