【問】 AのBに対する債務について、CがAの連帯保証人となるとともに、Aの所有地にBの抵当権を設定し、その登記をしたが、その後Aは、その土地をDに譲渡し、登記も移転した。この場合、民法の規定及び判例によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 Aは、その土地をDに譲渡する際、B及びCに通知する必要はない。
2 Bは、抵当権を実行する際、あらかじめDに通知する必要はない。
3 CがDの取得前にBに弁済した場合、Cは当然に、A及びDに対して、Bに代位することができる。
4 DがBに弁済した場合、Dは、A及びCに対してBに代位することができる。
〔問〕 正 解 4
1 正しい。抵当権設定者は、原則として抵当権の設定された不動産を自由に使用・収益・処分することができるのであるから、抵当権の設定されている不動産の譲渡について抵当権者等に通知する必要はない。
2 正しい。抵当権者が抵当権を実行(競売)しようとするときは、あらかじめ、第三取得者(肢2の設例の場合D)にそのことを通知する必要はない。
3 正しい。保証人(連帯保証人でも同じ)は、弁済について正当な利益を有する者に該当するため、主たる債務者にも抵当不動産の第三取得者にも当然に債権者に代位することができる(500条)。この場合、保証人が抵当不動産の第三取得者に対して代位するについては、「代位の付記登記」は不要である(改正)。
4 誤り。第三取得者(この場合は、債務者から担保の目的となっている財産を譲り受けた者のみを指す)は、債務者に代わって債務を弁済した場合、債務者に対しての関係では債権者にとって代わることができるが、保証人に対しては債権者にとって代わることができない(501条3項1号)。