【問】 共有に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。
1 各共有者は、その持分に応じて共有物の管理の費用を負担しなければならないが、ある共有者がこの負担義務を1年以内に履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその共有者の持分を取得することができる。
2 共有者の1人が相続人なくして死亡したときは、その持分は、国庫に帰属する。
3 共有物の分割に際し、各共有者の協議が調わないときは、裁判所に分割を請求することができる。この場合において、現物を分割することができない場合又は分割により著しく価格が低下するおそれがある場合は、裁判所はその競売を命ずることができる。
4 共有物の分割に際しては、共有物につき権利を有する者及び各共有者の債権者は、分割に参加することができる。この場合において、参加の請求があったにもかかわらず、その参加を待たずに分割をしたときは、分割の効力は参加を請求した者に対抗できない。
〔問〕 正 解 2
1 正しい。各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う(253条1項)。共有者が1年以内に負担の義務を履行しないときは、他の共有者は、相当の償金を支払ってその者の持分を取得することができる(同条2項)。 尚、この場合の「管理」とは、251条、252条にいう「変更」「管理」「保存行為」の全てをいう。
2 誤り。その持分は他の共有者に帰属する(255条)。
3 正しい。共有物の分割について共有者間に協議が調わないときは、その分割を裁判所に請求することができる(258条1項)が、この場合共有物の現物を分割することができないとき又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる(同条2項)。
4 正しい。共有物について権利(抵当権等)を有する者及び各共有者の債権者は、自己の費用で、分割に参加することができる(260条1項)。この場合、参加の請求があったにもかかわらず、その請求をした者を参加させないで分割をしたときは、その分割は、その請求をした者に対抗することができない(同条2項)。