【問】不動産の鑑定評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 取引事例比較法における取引事例としては、特殊事情のある事例でもその具体的な状況が判明しており、補正できるものであれば採用することができるが、投機的取引であると認められる事例は採用できない。
2 土地についての原価法の適用において、宅地造成直後と価格時点とを比較し公共施設の整備等による環境の変化が価格水準に影響を与えていると認められる場合は、熟成度として地域要因の変化の程度に応じた増加額を加算できる。
3 原価法では価格時点における対象不動産の再調達原価を求める必要があるため、建設資材、工法等の変遷により対象不動産の再調達原価を求めることが困難な場合には、鑑定評価に当たって原価法を適用することはできない。
4 収益還元法は、学校、公園等公共又は公益の目的に供されている不動産でその収益の把握が困難なものについては適用すべきではないが、自用の住宅地については賃貸を想定することにより適用できる。
【解答】 正 解 3
1 正しい。取引事例比較法における取引事例としては、事情補正ができるものであれば採用することができるが、投機的取引であると認められる事例は採用できない(不動産鑑定評価基準総論第7)。
2 正しい。原価法においては、環境の変化が価格水準に影響を与えていると認められる場合は、熟成度として地域要因の変化の程度に応じた増加額を加算できる。
3 誤り。建設資材、工法等の変遷により対象不動産の再調達原価を求めることが困難な場合には、対象不動産と同等の有用性を持つものに置き換えて求めた原価(置換原価)を再調達原価とみなすものとされている。
4 正しい。収益還元法は、学校、公園等公共・公益目的に供されている不動産で収益の把握の困難なものには、適用すべきではないが、自用の住宅地については、賃貸を想定することにより適用することができる。