1 印紙税

とことん覚える!重要度A

印紙税は、契約書、領収書などの課税文書を作成した場合、これらの文書を作成した者が、定められた金額の収入印紙をはり付け、これに消印をして納める国税である。
⑴ 課税の対象となる契約書(仮契約書も含む)
① 土地の賃貸借契約書・地上権設定契約書
② 売買契約書
③ 交換契約書
④ 予約契約書
⑤ 請負契約書
⑥ 売上金に係る金銭の受領書
※1 ひとつの契約について正本、副本、謄本等のように複数の文書が作成された場合であっても、その文書が、それぞれ契約の成立を証明する目的で作成されたものであれば、それらの文書は、すべて印紙税の課税対象になる。
⑵ 課税されない文書
① 建物の賃貸借契約書
② 委任状・媒介契約書
③ 永小作権、地役権、質権、抵当権の設定または譲渡契約書
④ 使用貸借の契約書(土地・建物)

2 記載金額とは(消費税が区分記載されている場合は、その消費税額を記載金額に含めない)

とことん覚える!重要度A

⑴ 不動産の譲渡に関する契約書
① 売買の場合は、売買代金
② 交換の場合は、交換金額
※ 交換契約において、交換対象の双方の価額が記載されている場合には、いずれか高いほうの金額を、また、交換差金のみが記載されている場合には、その交換差金の額を記載金額とする。
③ 贈与の場合は、記載金額のない契約書として扱う(印紙税額は200円)。
④ その他の場合は、譲渡の対価たる金額
⑤ 土地の賃貸借契約書は、権利金等の額(契約の際、貸主に交付し、後日返還することが予定されていない金額)
※ 土地の賃料は記載金額とはならない。
⑥ 地上権の設定・譲渡に関する契約書は、権利金等の額(契約の際、相手方に交付し、後日返還することが予定されていない金額)
※1 地代は記載金額とならない。
※2 権利金等が発生しない場合は、記載金額のない契約書として扱う。
※3 通帳形式の受領書(家賃領収通帳等)は、1通につき印紙税額400円。

3 納税義務者

課税文書を作成した場合、その文書の作成者が原則として印紙税を納める義務を負う。また、1つの課税文書を2人以上の者が作成した場合には、当該2人以上の者は、連帯して印紙税を納める義務がある。
※ 売主の代理人が作成した課税文書については、当該代理人が印紙税を納める義務を負う。

4 契約金額を変更する課税文書

とことん覚える!重要度B

⑴ 契約金額を増加させる場合は、その増加金額を記載金額とする。
⑵ 契約金額を減少させる場合は、契約金額の記載がないものとして扱う。

5 受領書について

とことん覚える!重要度B

営業に関しない受領書や記載金額が5 万円未満の受領書は非課税である。
※ 営業に関しない受領書とは、たとえば、個人が生活の用に供している自宅の土地建物を譲渡した場合である。

6 消 印

とことん覚える!重要度B

課税文書の作成者は、課税文書に印紙をはり付けた場合には、その文書と印紙の彩紋とにかけ、自己またはその代理人、使用人その他従業者の印章または署名で判明に印紙を消さなければならない。
※ 印紙税は、自主納付方式である。

7 非課税

とことん覚える!重要度B

⑴ 国、地方公共団体等が作成した文書には印紙税が課税されない。
⑵ 国等と一般の者とが共同で作成した文書については、国等が保存するものは一般の者が作成したものとみなされ課税されるが、一般の者が保存するものは国等が作成したものとみなされ印紙税が課税されない。

8 過怠税(かたいぜい)

とことん覚える!重要度C

⑴ 課税文書の作成者が、その納付すべき印紙税を課税文書の作成の時までに納付しなかった場合には、その納付しなかった印紙税の額とその2倍に相当する金額との合計(印紙税額の3倍)に相当する過怠税が徴収される。
⑵ 印紙税を納付していない旨の申出をした場合の過怠税の額は、納付しなかった印紙税の額と、その額に100分の10の割合を乗じて計算した金額との合計金額(印紙税額の1.1倍)に相当する額とされている。
⑶ はり付けた印紙を所定の方法で消印しなかった場合には、消印していない印紙の額面金額に相当する金額の過怠税が徴収される。また、印紙税を過誤納した場合は、税務署長の確認を受けて過誤納金の還付を受けることができる。