土地の形質と宅地としての適否

重要度A

山麓部 傾斜が緩やかで地層が安定している場所以外は、宅地としての利用は避けるべきである
① 古い土石流の堆積でできた地形は危険性が大きい
② 地すべりによってできた地形は、再び地すべりを起こしやすい
③ 谷の出口にあたる所は、鉄砲水や土石流等の災害を受けやすい
なだらかな
丘陵地
台 地
段 丘
一般に水はけもよく、地耐力もあり、洪水や地震に対する安全性も高く宅地に適している
例外…危険なところ
① 縁辺部…集中豪雨などのとき、がけ崩れの危険性あり
② 台地上の浅い谷・広い谷…集中豪雨などのとき水につかる危険性あり
③ 盛土部…十分に固まらないと豪雨や地震に弱い
④ 盛土・切土の境にまたがった宅地は、不同沈下を生じやすい
低 地 一般に洪水や地震に対して弱く防災的見地から宅地として不適当
① 谷の出口…鉄砲水や土石流等の災害を受けやすい
② 低デルタ地域・自然堤防などに囲まれた後背低地…洪水や地震に弱い
③ 旧河道・沼沢地・池や沼を埋めた所…洪水や地震に弱い
例外…比較的安全なところ
① 扇状地(山地の末端の川の出口に扇状に広がっている地形)
② 自然堤防(河川沿いの低地に洪水により堆積した土砂でできた微高地)
③ 砂丘・砂州・昔の天井川(川底が周辺の低地より高い廃川敷)
で今は廃川になっている所
干拓地
埋立地
一般に不適当。特に、干拓地は、海面以下の場合が多く注意が必要。
例外…埋立地は一般に海抜数メートルの比高をもつ場合が多いので、工事がしっかりしていれば宅地としての利用も可能

● 断層
地層がある面を境として互いに上下、左右にずれているもであり、断層面周辺の部分の地層強度は著しく低下している。
● 崖錐堆積物(がいすいたいせきぶつ)
崖錐堆積物におおわれた地域は、一般的に、切土をすると、崩壊や地すべりを起こしやすい。崖錐とは、風化や崩落により落下した岩石が半錐形に堆積した地形で、一般的には、崖錐それ自体の透水性が低いわけではない。したがって、基盤との境付近が水の通り道となって、そこをすべり面とした地すべりが生じやすい
● 液状化現象
液状化現象とは、地下水位が高く軟弱な砂地盤で、砂の粒子が小さく粒がそろっている場合に、地震などで地下水が染み込んでその地盤が液状化し、非常に軟弱化する現象である。地表から浅い所で発生しやすく、液状化した土地は、建物を支える力を失い、その上の建物は倒壊するおそれがある。