2.不動産の表示に関する公正競争規約

(1) この公正競争規約(以下「規約」という。)は、不当景品類及び不当表示防止法の規定に基づき、不動産の取引に関する表示に係る事項を定めることにより、一般消費者の不動産の適正な選択に資するとともに、不動産業における不当な顧客の誘引を防止し、もって公正な競争を確保することを目的とする。

(2) この規約において「表示」とは、顧客を誘引するための手段として事業者が不動産(物件)の内容又は取引条件その他取引(事業者自らが貸借の当事者となって行う取引を含む。以下同じ。)に関する事項について行う広告その他の表示(以下「広告表示」という。)であって、次に掲げるものをいう。
① 物件自体による表示及びモデル・ルームその他これらに類似する物による表示
② チラシ、ビラ、パンフレット、説明書面その他これらに類似する物による広告表示(ダイレクトメール、ファクシミリ等によるものを含む。)及び口頭による広告表示(電話によるものを含む。)
③ ポスター、看板(プラカード及び建物又は電車、自動車等に記載されたものを含む。)、ネオン・サイン、アドバルーンその他これらに類似する物による広告及び陳列物又は実演による表示
④ 新聞紙、雑誌その他の出版物、放送(有線電気通信設備又は拡声機による放送を含む。)映写、演劇又は電光による広告
⑤ 情報処理の用に供する機器による広告表示(インターネット、パソコン通信等によるものを含む。)

(3) 広告表示の開始時期の制限

事業者は、宅地の造成又は建物の建築に関する工事の完了前においては、宅建業法第33条に規定する許可等の処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の内容又は取引条件その他取引に関する広告表示をしてはならない。
※ 許可等の処分とは、都市計画法による開発の許可、建築基準法による建築確認等

(4) おとり広告の禁止

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事業者は、次のようなおとり広告をしてはならない。
① 物件が存在しないため、実際には取引することができない物件に関する表示
② 物件は存在するが、実際には取引の対象となり得ない物件に関する表示
③ 物件は存在するが、実際には取引する意思がない物件に関する表示

(5) 特定事項の明示義務

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① 都市計画法第7条に規定する市街化調整区域に所在する土地(同法第29条に規定する開発許可を受けているもの及び都市計画法施行令(昭和44年政令第158号)第36条第1項第3号ロ又はハに該当するものを除く。)については、「市街化調整区域。宅地の造成及び建物の建築はできません。」と16ポイント以上の文字で明示すること。
 ただし、新聞・雑誌広告における文字の大きさについては、この限りでない。
② 建築基準法第42条に規定する道路に2メートル以上接していない土地については、「再建築不可」又は「建築不可」と明示すること。ただし、同法第43条第1項ただし書の許可を受けることができることとなる場合において、その旨を表示するときは、この限りでない。
③ 建築基準法第40条の規定に基づく地方公共団体の条例により附加された敷地の形態に対する制限に適合しない土地については、「再建築不可」又は「建築不可」と明示すること。
④ 路地状部分のみで道路に接する土地であって、その路地状部分の面積が当該土地面積のおおむね30パーセント以上を占めるときは、路地状部分を含む旨及び路地状部分の割合又は面積明示すること
⑤ 建築基準法第42条第2項の規定により道路とみなされる部分(セットバックを要する部分)を含む土地については、その旨を表示し、セットバックを要する部分の面積がおおむね10パーセント以上である場合は、併せてその面積を明示すること。
⑥ 土地取引において、当該土地上に古家廃屋等が存在するときは、その旨を明示すること。
⑦ 沼沢地、湿原又は泥炭地等については、その旨を明示すること。
⑧ 土地の全部又は一部が高圧電線路下にあるときは、その旨及びそのおおむねの面積を表示すること。この場合において、建物その他の工作物の建築が禁止されているときは、併せてその旨を明示すること
⑨ 地下鉄の線路を敷設する場合等において、土地の全部又は一部の地下の範囲を定めた地上権が設定されているときは、その旨を表示すること。この場合において、地上権の行使のために土地の利用に制限が加えられているときは、併せてその旨を明示すること。

⑩ 傾斜地を含む土地であって、傾斜地の割合が当該土地面積のおおむね30パーセント以上を占める場合(マンション及び別荘地等を除く。)は、傾斜地を含む旨及び傾斜地の割合又は面積を明示すること。ただし、傾斜地の割合が30パーセント以上を占めるか否かにかかわらず、傾斜地を含むことにより、当該土地の有効な利用が著しく阻害される場合マンションを除く。)は、その旨及び傾斜地の割合又は面積を明示すること。
⑪ 土地の有効な利用が阻害される著しい不整形画地及び区画の地盤面が2段以上に分かれている等の著しく特異な地勢の土地については、その旨を明示すること。
⑫ 土地が擁壁によっておおわれないがけの上又はがけの下にあるときは、その旨を明示すること。
⑬ 道路法(昭和27年法律第170号)第18条第1項の規定により道路区域が決定され、又は都市計画法第20条第1項の告示が行われた都市計画道路等の区域に係る土地についてはその旨を明示すること
⑭ 建築工事に着手した後に、同工事を相当の期間にわたり中断していた新築住宅又は新築分譲マンションについては、建築工事に着手した時期及び中断していた期間明示すること。
⑮ 建築条件付土地の取引については、当該取引の対象が土地である旨並びに当該条件の内容及び当該条件が成就しなかったときの措置の内容を明示して表示すること。
⑯ 国土利用計画法(昭和49年法律第92号)による許可又は事前届出を必要とする場合は、その旨を明示して表示すること。
※ 建築条件付土地とは、自己の所有する土地を販売するに当たり、自己と土地購入者との間において、自己または自己の指定する建設業を営む者(建設業者)との間に、その土地に建築する建物について一定期間内に建築請負契約が成立することを条件として売買される土地のこと。

(6) 表示基準

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事業者は、以下の事項のように表示しなければならない。
この事項に関して、実際のものよりも優良であると誤認されるような表示等は不当表示として禁止です。
① 公共交通機関は、現に利用できるものを表示し、特定の時期にのみ利用できるものは、その利用できる時期を明示して表示すること。ただし、新設の路線については、現に利用できるものと併せて表示する場合に限り、路線の新設に係る国土交通大臣の許可処分又はバス会社等との間に成立している協定の内容を明示して表示することができる。
② 新設予定の鉄道、都市モノレールの駅若しくは路面電車の停留場(以下「駅等」という。)又はバスの停留所は、当該路線の運行主体が公表したものに限り、その新設予定時期を明示して表示することができる
③ 自動車による所要時間は、道路距離を明示して、走行に通常要する時間を表示すること。この場合において、表示された時間が有料道路(橋を含む。)の通行を含む場合のものであるときは、その旨を明示すること。ただし、その道路が高速自動車国道であって、周知のものであるときは、有料である旨の表示を省略することができる。
④ 道路距離又は所要時間を表示するときは、起点及び着点を明示して表示すること(他の規定により当該表示を省略することができることとされている場合を除く)。
⑤ 団地(一団の宅地又は建物をいう。以下同じ。)とその他の施設との間の距離又は所要時間は、それぞれの施設ごとにその施設から最も近い当該団地内の地点を起点又は着点として算出した数値を表示すること。ただし、当該団地を数区に区分して取引するときは、各区分ごとに距離又は所要時間を算出すること。
⑥ 徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。
⑦ 自転車による所要時間は、道路距離を明示して、走行に通常要する時間を表示すること。
⑧ 開発区域を工区に分けて工区ごとに開発許可を受け、当該開発許可に係る工区内の宅地又は建物について表示をするときは、開発区域全体の規模及びその開発計画の概要を表示すること。この場合において、全体計画中に開発許可を受けていない部分を含むときは、その旨を明示すること。
※ 日照その他物件の環境条件に影響を及ぼすおそれがある建物の建築計画又は造成計画であって自己に係るもの又は自己が知り得たものがある場合には、その旨及びその規模を記載しなければならない。
⑨ 面積は、メートル法により表示すること。この場合において1平方メートル未満の数値は、切り捨てて表示することができる。
⑩ 土地の面積は、水平投影面積を表示すること。
⑪ 建物の面積(マンションにあっては、専有面積)は、延べ面積を表示し、これに車庫、地下室等の面積を含むときは、その旨及びその面積を表示すること。ただし、中古マンションにあっては、建物登記簿に記載された面積を表示することができる。
⑫ 住宅の居室等の広さを畳数で表示する場合においては、畳1枚当たりの広さが1.62平方メートル以上なければ、1畳として表示することができない。
※ 建物をリフォームまたは改築したことを表示する場合は、その内容及び時期を明示すること。
⑬ 採光及び換気のための窓その他の開口部の面積の当該室の床面積に対する割合が建築基準法第28条の規定に適合していないため、同法において居室と認められない納戸その他の部分については、その旨を「納戸」等と表示すること。
⑭ 地目は、登記簿に記載されているものを表示すること。この場合において、現況の地目と異なるときは、現況の地目を併記すること。
⑮ 宅地又は建物の写真は、取引するものの写真を用いて表示すること。ただし、取引しようとする建物が建築工事の完了前である等その建物の写真を用いることができない事情がある場合においては、次に掲げるものに限り、他の建物の写真を用いることができる。この場合においては、当該写真が他の建物のものである旨を写真に接する位置に明示すること。
ア 取引しようとする建物と規模、形質及び外観が同一の他の建物の外観写真。この場合において、門塀、植栽、庭等が異なる場合は、その旨を明示すること。
イ 建物の内部写真であって、写真に写される部分の規模、形質等が同一のもの
⑯ 宅地又は建物の見取図、完成図又は完成予想図は、その旨を明示して用い、当該物件の周囲の状況について表示するときは、現況に反する表示をしないこと
⑰ デパート、スーパーマーケット、商店等の商業施設は、現に利用できるものを物件までの道路距離を明示して表示すること。ただし、工事中である等その施設が将来確実に利用できると認められるものにあっては、その整備予定時期を明示して表示することができる。
⑱ 土地の価格については、上下水道施設・都市ガス供給施設の設置のための費用その他宅地造成に係る費用(これらの費用に消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)が課されるときは、その額を含む。)を含めて表示すること。
⑲ 土地の価格については、1区画当たりの価格を表示すること。ただし、1区画当たりの敷地面積を明らかにし、これを基礎として算出する場合に限り、1平方メートル当たりの価格で表示することができる。
⑳ 前号の場合において、すべての区画の価格を表示することが困難であるときは、分譲宅地の価格については、1区画当たりの最低価格、最高価格及び最多価格帯並びにその価格帯に属する販売区画数を表示すること。この場合において、販売区画数が10未満であるときは、最多価格帯の表示を省略することができる。
21 現況有姿分譲地の価格については、分割可能最小面積を明示して、1平方メートル当たりの価格を表示すること。この場合において、1平方メートル当たりの価格が異なる土地があるときは、それぞれの面積を明示して、最低価格及び最高価格を表示すること。
※ 賃貸される住宅(マンションまたはアパートにあっては、住戸)の賃料については、1ヶ月あたりの賃料を表示すること。ただし、新築賃貸マンション又は新築賃貸アパートの賃料について、すべての住戸の賃料を表示することが困難である場合は、1住戸あたりの最低賃料及び最高賃料を表示すること。
22 住宅(マンションにあっては、住戸)の価格については、1戸当たりの価格(敷地の価格(当該敷地が借地であるときは、その借地権の価格)及び建物(電気、上下水道及び都市ガス供給施設のための費用等を含む。)に係る消費税等の額を含む。以下同じ。)を表示すること。
23 前号の場合において、すべての住戸の価格を示すことが困難であるときは、新築分譲住宅及び新築分譲マンションの価格については、1戸当たりの最低価格最高価格及び最多価格帯並びにその価格帯に属する住宅又は住戸の戸数を表示すること。この場合において、販売戸数が10戸未満であるときは、最多価格帯の表示を省略することができる。
24  管理費(マンションの事務を処理し、設備その他共用部分の維持及び管理をするために必要とされる費用をいい、共用部分の公租公課等を含み、修繕積立金を含まない。)については、1戸当たりの月額(予定額であるときは、その旨)を表示すること。ただし、住戸により管理費の額が異なる場合において、そのすべての住宅の管理費を示すことが困難であるときは、最低額及び最高額のみで表示することができる
25 共益費(借家人が共同して使用又は利用する設備又は施設の運営及び維持に関する費用をいう。)については、1戸当たりの月額(予定額であるときは、その旨)を表示すること。ただし、住戸により共益費の額が異なる場合において、そのすべての住宅の共益費を示すことが困難であるときは、最低額及び最高額のみで表示することができる。
26 修繕積立金については、1戸当たりの月額(予定額であるときは、その旨)を表示すること。ただし、住戸により修繕積立金の額が異なる場合において、そのすべての住宅の修繕積立金を示すことが困難であるときは、最低額及び最高額のみで表示することができる。
27 住宅ローン
(銀行その他の金融機関が行う物件の購入資金及びこれらの購入に付帯して必要とされる費用に係る金銭の貸借)については、次に掲げる事項を明示して表示すること。
ア 金融機関の名称若しくは商号又は都市銀行、地方銀行、信用金庫等の種類
イ 提携ローン又は紹介ローンの別
ウ 融資限度額
エ 借入金の利率及び利息を徴する方式(固定金利型、固定金利指定型、変動金利型、上限金利付変動金利型等の種別)又は返済例
28 住宅ローンの返済例を表示する場合において、ボーナス併用払のときは、1か月当たりの返済額の表示に続けて、ボーナス時に加算される返済額を明示すること。
29 購入した物件を賃貸した場合における「利回り」の表示については、当該物件の1年間の予定賃料収入の当該物件の取得対価に対する割合であるという意味で用い、その旨を明示して表示すること。この場合において、予定賃料収入が確実に得られることを保証するものではない旨及び「利回り」は、公租公課その他当該物件を維持するために必要な費用の控除前のものである旨を明示して表示すること。

(7) 特定用語の使用基準

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1 事業者は、次に掲げる用語を用いて表示するときは、それぞれ当該各号に定める意義に即して使用しなければならない。
① 新 築 建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものをいう。
② 新発売 新たに造成された宅地又は新築の住宅(造成工事又は建築工事完了前のものを含む。)について、一般消費者に対し、初めて購入の申込みの勧誘を行うこと(一団の宅地又は建物を数期に区分して販売する場合は、期ごとの勧誘)をいい、その申込みを受けるに際して一定の期間を設ける場合においては、その期間内における勧誘をいう。
③ ダイニング・キッチン(DK) 台所と食堂の機能が1室に併存している部屋をいい、住宅(マンションにあっては、住戸。次号において同じ。)の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するものをいう。
④ リビング・ダイニング・キッチン(LDK) 居間と台所と食堂の機能が1室に併存する部屋をいい、住宅の居室(寝室)数に応じ、その用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するものをいう。
⑤ 宅地の造成工事の完成 宅地上に建物を直ちに建築することができる状態に至ったことをいい、当該工事の完成に際し、都市計画法(昭和43年法律第100号)その他の法令による工事の完了の検査を受けることが必要とされるときは、その検査に合格したことをいう。
⑥ 建物の建築工事の完了 建物をその用途に従い直ちに使用することができる状態に至ったことをいう。
2 事業者は、次に掲げる用語を用いて表示するときは、それぞれ当該表示内容を裏付ける合理的な根拠を示す資料を現に有している場合を除き、当該用語を使用してはならない。この場合において、④及び⑤に定める用語については、当該表示内容の根拠となる事実を併せて表示する場合に限り使用することができる。
① 物件の形質その他の内容又は役務の内容について、「完全」、「完ぺき」、「絶対」、「万全」等、全く欠けるところがないこと又は全く手落ちがないことを意味する用語
② 物件の形質その他の内容、価格その他の取引条件又は事業者の属性に関する事項について、「日本一」、「日本初」、「業界一」、「超」、「当社だけ」、「他に類を見ない」、「抜群」等、競争事業者の供給するもの又は競争事業者よりも優位に立つことを意味する用語
③ 物件について、「特選」、「厳選」等、一定の基準により選別されたことを意味する用語
④ 物件の形質その他の内容又は価格その他の取引条件に関する事項について、「最高」、「最高級」、「極」、「特級」等、最上級を意味する用語
⑤ 物件の価格又は賃料等について、「買得」、「掘出」、「土地値」、「格安」、「投売り」、「破格」、「特安」、「激安」、「バーゲンセール」、「安値」等、著しく安いという印象を与える用語
⑥ 物件について、「完売」等著しく人気が高く、売行きがよいという印象を与える用語

(8) 物件の名称の使用基準

とことん覚える!重要度A

物件の名称として地名等を用いる場合において、当該物件が所在する市区町村内の町若しくは字の名称又は地理上の名称を用いる場合を除いては、次の各号に定めるところによるものとする。
① 当該物件の所在地において、慣例として用いられている地名又は歴史上の地名がある場合は、当該地名を用いることができる。
② 当該物件の最寄りの駅、停留場又は停留所の名称を用いることができる。
③ 当該物件が公園、庭園、旧跡その他の施設から直線距離で300メートル以内に所在している場合は、これらの施設の名称を用いることができる
④ 当該物件の面する街道その他の道路の名称(坂名を含む。)を用いることができる。
 別荘地(別荘又はリゾートマンションを含む。)にあっては、前項に掲げるところによるほか、次の各号に定めるところによることができる。
① 当該物件が自然公園法(昭和32年法律第161号)による自然公園の区域内に所在する場合は、当該自然公園の名称を用いることできる。
② 当該物件がその最寄りの駅から直線距離で5,000メートル以内に所在している場合は、その最寄りの駅の名称を用いることができる。ただし、当該物件がその最寄りの駅から同じく5,000メートルを超える地点に所在する場合は、併せてその距離を明記する場合に限り、その最寄りの駅の名称を用いることができる。
③ 当該物件が地勢及び地形上、山、山脈、山塊等の一部に位置している場合は、当該山、山脈、山塊等の名称を用いることができる。
④ 当該物件が海(海岸)、湖沼又は河川の岸又は堤防から直線距離で1,000メートル以内に所在している場合は、当該海(海岸)、湖沼又は河川の名称を用いることができる。
⑤ 当該物件が温泉地、名勝、旧跡等から直線距離で1,000メートル以内に所在している場合は、その温泉地、名勝、旧跡等の名称を用いることができる。

(9) 温泉法(昭和23年法律第125号)による温泉については、次に掲げる事項を明示して表示すること。

とことん覚える!重要度A

ア 温泉に加温したものについては、その旨
イ 温泉に加水したものについては、その旨
ウ 温泉源から採取した温泉を給湯管によらずに供給する場合(運び湯の場合)は、その旨
エ 共同浴場を設置する場合において、循環装置又は循環ろ過装置を使用する場合は、その旨

(10) 誤認されるおそれのある二重価格表示(不当な二重価格表示の禁止)

① (過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示
 過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示は、次に掲げる要件のすべてに適合し、かつ実際に、当該期間、当該価格で販売していたことを資料により客観的に明らかにすることができる場合を除き不当な二重価格表示に該当するものとする。
イ 過去の販売価格の公表時期及び値下げの時期を明示したものであること。
ロ 比較対象価格に用いる過去の販売価格は、値下げの3ヶ月以上前に公表された価格であって、かつ、値下げ前3ヶ月以上にわたり実際に販売のために公表していた価格であること。
ハ 値下げの時期から6ヶ月以内に表示するものであること。ただし、6ヶ月以内であっても災害その他の事情により物件の価値に同一性が認められなくなった場合には、同一性が認められる時点にまで限る。
ニ 土地(現況有姿分譲地を除く)又は建物(共有制リゾートクラブ会員権を除く)について行う表示であること。
② (割引表示
 一定の条件に適合する取引の相手方に対し、販売価格、賃料等から一定率又は一定額の割引をする場合において、当該条件を明示して、割引率、割引額又は割引後の額を表示する場合を除き、不当な二重価格表示に該当するものとする。

(11) 措置命令

とことん覚える!重要度C

消費者庁長官は、不当景品類の提供や不当表示がなされた場合には、それらの違反行為を行った事業者に対し、違反行為の差止めなどの措置命令をすることができる。公正競争規約に違反した事業者に対しては、公正取引協議会が違約金を課することができる。
なお、この措置命令には、違反行為がすでになくなっている場合でもすることができる
消費者庁長官は、措置命令をしようとするときは、命令の対象となる事業者に対し、原則として弁明の機会を付与しなければならない。