地下・空間を目的とする地上権(区分地上権)
地下または空間の一定範囲だけについて、工作物の所有を目的とする地上権を設定することができる(269条の2)。土地の高度利用の目的。
とことん覚える!【重要度C】
地上権と賃借権の差異
(1) 地上権は物権であるが、賃借権は債権である。
(2) 地上権者は、地主の承諾なしに、自由にその地上権を第三者に譲渡したり、当該土地を転貸できるが、賃借権は譲渡したり転貸するには賃貸人の承諾が必要である(民法612)。
(3) 地上権は地主に登記協力義務があるので、登記により第三者に対抗することが容易であるが、賃借権は地主に登記協力義務がないので、登記による対抗力をうることが困難である。
(4) 地上権は地代の支払を要素としないが、賃借権は賃料の支払が要素であり(民601)、その不払は契約解除の原因となる(民541)。
地上権の取得 地上権設定契約のほか、取得時効・譲渡・相続によって取得され、法律上当然に設定される場合(法定地上権(民法388条))がある。