抵当権の効力が及ばない場合
(イ) 土地に抵当権が設定された場合における、抵当地上の建物。
土地に抵当権が設定された場合においても、その抵当権は建物には及びません。土地と建物は一体という気がするかもしれませんが、土地と建物は別個の不動産なのです。
したがって、抵当権の目的である土地を競売にかけるときには、その上の建物を競売にかけることはできません。
ただし、更地に抵当権を設定した後に建物を築造したときは、土地を競売にかけるときに抵当権の及んでいない建物を一緒に競売にかけることができるという例外もありますが、この場合でも、土地の抵当権の効力が建物に及んでいるわけではありません。
(ロ) 抵当権の設定契約において、特別の定めをしたとき(370条但書)。
(注) 庭石や植木に抵当権の効力を及ぼしたくないときは、その旨の登記をしておかないと第三者に対抗できない(不動産登記法117条)。
(ハ) 債務者が他の債権者を害することを知って抵当目的物に附加した物
例.債務者Bが、抵当不動産以外の財産を処分して高価な庭石を購入し、造園工事をした場合。
(ニ) 目的物の所有者以外の者が権原に基づいて附加した物
(ホ) 抵当権の効力は、その被担保債権について不履行があったときは、不履行の後に生じた抵当不動産の果実に及ぶ(371条・平成15年改正)。