【問】 制限行為能力者及び自己所有の土地を売却するAの売買契約の相手方に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはいくつあるか。

ア 未成年者がした債権者からの債務の免除の申込みに対する承認は、法定代理人の同意がない場合も完全に有効である。

イ 買主Cが婚姻している未成年者であり、当該婚姻がCの父母の一方の同意を得られないままになされたものである場合には、Cは未成年者であることを理由に当該売買契約を取り消すことができる。

ウ 被保佐人とは、精神上の障害によって事理を弁識する能力が不十分な者で保佐開始の審判を受けた者である。

エ 被保佐人が元本を領収し、又は利息を領収する場合には、保佐人の同意が必要である。

 

1 一つ

2 二つ

3 三つ

4 なし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 1

ア 正しい。未成年者がした債権者からの債務の免除の申込みに対する承認は、義務を免れる行為にあたり、単独で完全に有効にすることができる。

イ 誤り。父母の一方の同意に得られないままの婚姻であっても完全に有効である。未成年者は婚姻により成年者とみなされるのであるから、当該売買契約を取り消すことができない。

ウ 誤り。被保佐人とは、精神上の障害によって事理を弁識する能力が著しく不十分な者で、保佐開始の審判を受けた者である。

エ 誤り。被保佐人が元本を領収し、又は利用することは保佐人の同意が必要であるが、利息、賃料の領収は同意はいらない(判例)。

よって、正しいものはアの一つで1が正解である。