【問】 Aが、Bに対し期間2年と定めて賃貸した建物を、BはCに対し期間を定めずに転貸し、Aはこれを承諾した。この場合、借地借家法の規定によれば、次の記述のうち誤っているものはどれか。
1 AがBに対する更新拒絶の通知をしたときでも、期間満了後Cが建物の使用を継続し、Aがこれに対して遅滞なく異議を述べないと、AB間の契約は更新される。
2 AがBに対し更新拒絶の通知をするための正当の事由の有無は、A及びBについての事情によって決せられ、Cについての事情は考慮されない。
3 CがAの同意を得て建物に付加した造作は、期間の満了によって建物の賃貸借が終了するとき、CからAに対し買取りを請求することができる。
4 AB間の賃貸借が期間の満了によって終了するときも、AがCに対してその旨の通知をした日から6月を経過しないと、建物の転貸借は終了しない。
【解答】 正 解 2
1 正しい。建物の賃貸借の期間が満了した後、建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べないと契約は更新される(借地借家法26条2項)。適法な転借人が使用している場合も同じである(26条3項)。
2 誤り。家主が転貸を承諾しているときは、転借人の事情も借家人側の事情として、正当事由の判断に際して斟酌しなければならない(28条カッコ書)。
3 正しい。建物転借人は、賃貸人に対して直接、造作を買い取るように請求できる(33条2項)。
4 正しい。賃貸借が期間の満了によって終了する場合、賃貸人が転借人にその旨を通知すれば、通知をした日から6ヵ月を経過すると建物の転貸借は終了する(34条1項・2項)。