【問】 不法行為による損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1  不法行為による損害賠償の支払債務は、催告を待たず、損害発生と同時に遅滞に陥るので、その時以降完済に至るまでの遅延損害金を支払わなければならない。

2  不法行為によって名誉を毀損された者の慰謝料請求権は、被害者が生前に請求の意思を表明しなかった場合でも、相続の対象となる。

3  共同不法行為者は、各自、全額の損害賠償責任を負う。ただし、自己の負担部分を超えて損害を賠償したときは、その超えた部分につき、他の者に対して求償できる。

4  不法行為による損害賠償の請求権の消滅時効の期間は、権利を行使することができることとなった時から10年である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【問 5】 正解   4

1  正しい。不法行為による損害賠償債務は、損害の発生と同時に履行遅滞となるから、その時以降完済に至までの遅延損害金を支払わなければならない。

2  正しい。不法行為によって名誉を毀損された者の慰謝料請求権は、これを放棄した等の特別の事情がない限り、その者が生前に請求する意思を表明することなく死亡しても、その相続人は当該慰謝料請求権を相続することができる。

3  正しい。共同不法行為をした者が負う損害賠償債務は連帯責任であり、各自が全額を賠償する債務を負う。ただし、自己の責任部分を超えて損害を賠償したときは、その超えた部分につき、他の者に対して求償できる。

4  誤り。不法行為による損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知ったときから3年間(ただし、人の生命身体を害する不法行為による場合は5年間)又は不法行為のときから20年いずれか経過すると消滅する。