【問】 AがBに対して1,250万円の貸金債権を有していたところ、Bが相続人C及びDを残して死亡した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 Cが単純承認を希望し、Dが限定承認を希望した場合には、相続の開始を知った時から3か月以内に、Cは単純承認を、Dは限定承認をしなければならない。
2 C及びDが相続開始の事実を知りながら、Bが所有していた財産の一部を売却した場合には、C及びDは相続の単純承認をしたものとみなされる。
3 C及びDが単純承認をした場合には、法律上当然に分割されたAに対する債務を相続分に応じてそれぞれが承継する。
4 CがBの配偶者であり、B所有建物にBと居住していた場合、遺贈によりCに配偶者居住権が与えられていたときは、Cは当該建物を終身無償で使用収益することができる。
【問】 正解 1
1 誤り。相続人が数人いる場合の限定承認は,共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。よって、Cが単純承認をし、Dが限定承認をすることができない。
2 正しい。相続人が相続財産の全部一部を処分したときは、相続人は単純承認したものとみなされる。
3 正しい。被相続人の金銭債務を共同相続して単純承認をした者は、法定相続分の割合に応じて分割された債務を承継する。
4 正しい。配偶者居住権とは、配偶者が相続開始時点で居住していた被相続人の遺産に属する建物を終身無償で使用収益する権利をいう。配偶者居住権は、次の各場合に取得することができる。ただし、被相続人が居住建物を配偶者以外の者と共有していた場合は取得できない。
(イ)遺産分割により配偶者が配偶者居住権を取得するものとされたとき
(ロ)遺贈により配偶者に配偶者居住権が与えられたとき
【問】 正解 2
l 正しい。本肢の場合、建物の修補による履行の追完を請求できる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。
2 誤り。催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求できる。①~④
①履行の追完が不能であるとき、②売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき、③契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその期間を経過したとき、④買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。
3 正しい。記述の通り。
4 正しい。売主が買主に目的物(売買の目的として特定したものに限る)を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失し、又は損傷したときは、買主は、その滅失又は損傷を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。買主は、代金の支払いを拒むことができない。