【問】 Aが、Bの代理人としてB所有の土地をCに売却する契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、Bは、Aに代理権を与えたことはなく、かつ、代理権を与えた旨の表示をしたこともないものとする。

1 契約はB又はCのいずれかが追認したときは、有効となる。

2 Aは、Bの追認のない間は、契約を取り消すことができる。

3 AがBに対し追認をするかどうか確答すべき旨催告し、Bが確答をしないときは、Bは追認を拒絶したものとみなされる。

4 Bが追認を拒絶したときは、Aは自ら契約を履行する責任を負うことがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 4

1 誤り。無権代理行為を追認することができるのは本人であり、相手方は追認をすることはできない(民法113条1項)。

2 誤り。本人の追認のない間に契約を取り消すことができるのは相手方であり、無権代理人には取消権はない(115条)。

3 誤り。本人が相手方から催告を受け、確答をしないときに追認を拒絶したものとみなされる。無権代理人が催告するのではない(114条)。

4 正しい。本人が追認を拒絶した場合、無権代理人は、相手方の選択により契約の履行又は損害賠償の責任を負うことがある(117条1項)。