【問】 AがA所有の甲土地の売却に関する代理権をBに与えた場合における次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、表見代理は成立しないものとする。

1  Aが死亡した後であっても、BがAの死亡の事実を知らず、かつ、知らないことにつき過失がない場合には、BはAの代理人として有効に甲土地を売却することができる。

2  Bが死亡しても、Bの相続人はAの代理人として有効に甲土地を売却することができる。

3  19歳であるBがAの代理人として甲土地をCに売却した後で、Bが19歳であることをCが知った場合には、CはBが未成年者であることを理由に売買契約を取り消すことができる。

4 Bが売主Aの代理人であると同時に買主Dの代理人としてAD間で売買契約を締結しても、あらかじめ、A及びDの承諾を受けていれば、この売買契約は有効である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【問】  正解   4

l  誤り。本人(A)の死亡によりBの代理権は消滅するので、BはAの死亡につき善意無過失であっても甲土地の売却行為はできない(民法111条1項1号)。

2 誤り。B(任意代理人)の死亡により代理権は消滅する。代理人としての地位を相続できない(同項2号)。

3  誤り。任意代理人は制限行為能力者でもかまわない。その効果は本人に帰属する。したがってAもCも当該契約を取り消すことはできない(同法102条)。

4  正しい。双方を代理して契約することはできないが、あらかじめ双方の当事者が許諾していれば契約することができる(同条但書)。