【問】 不当利得に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

1 A所有の不動産の登記がB所有名義となっているため固定資産税がBに課税され、Bが自己に納税義務がないことを知らずに税金を納付した場合、BはAに対し不当利得としてその金額を請求することはできない。

2 建物の所有者Cが、公序良俗に反する目的でその建物をDに贈与し、その引渡し及び登記の移転が不法原因給付である場合、CがDに対しその返還を求めることはできないが、その建物の所有権自体は引き続きCに帰属する。

3 Eは、F所有のブルドーザーを賃借中のGから依頼されて、それを修理したが、Gが倒産したため修理代10万円の取立てができない場合、ブルドーザーの返還を受けたFに対し不当利得として10万円の請求をすることができる。

4 土地を購入したHが、その購入資金の出所を税務署から追及されることをおそれて、Iの所有名義に登記し土地を引き渡した場合は不法原因給付であるから、Hは、Iに対しその登記の抹消と土地の返還を求めることはできない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 3

1 誤り。Bは納税義務がないのに、本来はAが納付すべき税金を支払っているのだから、BはAに対して民法703条の不当利得返還請求が可能である。

2 誤り。公序良俗違反のDへの贈与は、民法708条の不法原因給付に該当するので、CはDに対して給付した建物の返還請求をすることはできない。そして、この場合、その物の所有権は反射的効果としてDに帰属したとされている(判例)。

3 正しい。EはGに対して修理代金請求権を有するが、Gが倒産して回収ができないときは、所有者Fに対して回収ができない修理代相当額を不当利得として請求できる(判例)。

4 誤り。本肢は通謀虚偽表示であり、Iの所有名義は実体がないので、HはIに対して登記の抹消と土地の返還を求めることができる。