【問】 土地及びその上に存する建物が同一の所有者に属する場合における法定地上権の成立に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1 土地に対する抵当権設定当時、建物について保存登記がなされていない場合にも、建物が存在していれば法定地上権は成立する。
2 建物のみに抵当権が設定されたのち、抵当権実行前に土地が譲渡された場合にも、法定地上権は成立する。
3 土地に対する抵当権設定当時に存在した建物が火災で消滅し、抵当権実行前に同様の建物が再築された場合には、法定地上権は成立しない。
4 土地と建物の双方に抵当権が設定されたのち、双方が別々の者に競落された場合にも、
法定地上権は成立する。
〔問〕 正 解 3
法定地上権の成立要件は以下のとおり。
⑴ 抵当権(土地のみでも、建物のみでも、土地と建物両方でも)設定当時
⑵ 土地上に土地所有者の建物(保存登記不要)が存在すること
⑶ 競売により土地と建物の所有者が異なるに至ったこと
1 正しい。抵当地上に建物が存在していれば、建物の保存登記がなくても法定地上権は成立する(判例)。
2 正しい。抵当権設定後、抵当権実行前に土地と建が別の所有者に属するようになった場合にも、法定地上権は成立する(判例)。
3 誤り。抵当地上の建物が滅失しても、抵当権実行前に建物を再築していれば、競売された場合には法定地上権が成立する(判例)。
4 正しい。土地と建物の双方に抵当権が設定され、双方が別の人に競落された場合にも法定地上権が成立する(判例)。