【問】 被相続人Aの相続人の法定相続分に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 AとBが婚姻中に生まれたAの子Cは、AとBの離婚の際、親権者をBと定められたが、Aがその後再婚して、再婚にかかる配偶者がいる状態で死亡したときは、Cには法定相続分はない。

2 Aに実子がなく、3人の養子がいる場合、法定相続分を有する養子は2人に限られる。

3 Aが死亡し、配偶者D及びその2人の子供E、Fで遺産分割及びそれに伴う処分を終えた後、認知の訴えの確定により、さらに嫡出でない子Gが1人いることが判明した。Gの法定相続分は10分の1である。

4 Aに子が3人あり、Aの死亡の際、2人は存命であったが、1人は既に死亡していた。

その死亡した子には2人の嫡出子H、Iがいた。A死亡の際、配偶者もいなかった場合、Hの法定相続分は6分の1である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔問〕 正 解 4

1 誤り。CはAの子であるので、出生後に両親が離婚し、被相続人が親権者とならない場合でも、この相続権には影響しない。

2 誤り。民法には、法定相続分を有する養子の人数を制限する規定はない。Aの養子が3人であるときは、法定相続分を有する者は3人である。

3 誤り。嫡出子と非嫡出子の相続分は同じである(900条4項)から、Gの法定相続分は2分の1×3分の1=6分の1である。

4 正しい。Aに配偶者がいないときは、子が等分して相続する。また、被相続人より先に死亡した推定相続人は相続権を有しないが、推定相続人の死亡当時その子が存在する場合には、子が代襲相続することになる(887条2項)。代襲相続人の相続分は、死亡した推定相続人の相続分であるから、HとIは、自分の親(死亡した推定相続人)の相続分3分の1を2人で分けることになるので、各6分の1となる。