【問】  Aが所有する1,200㎡の甲地とBが甲地に接続して所有する1,800㎡の乙地に係る土地取引についての、国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、甲地及び乙地は市街化区域内に所在し、注視区域及び監視区域外にあるものとする。

1 AとBが甲地と乙地を交換契約した場合、届出の必要はない。

2 Aが甲地で代々店舗を営んでおり、その駐車場用地として乙地をBから売買により取得した場合、届出の必要はない。

3 Aの子Cが相続により甲地を取得し、甲地及び乙地に賃貸マンションの建設を計画して、乙地をBから売買により取得した場合、届出が必要である。

4 Dが甲地及び乙地にビルの建設を計画して、その年の8月に甲地、9月に乙地を売買により取得した場合、Dは、それぞれの売買契約の締結について、届出が必要である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【問】 正 解 3

1 正しい。交換は「土地の売買等の契約」に該当するが、乙地及び甲地ともに届出対象面積未満であるから届出の必要はない(14条1項、23条2項1号)。

2 正しい。本肢のAは甲地を代々所有していたのであり、Aが乙地をBから買い受けるに際しては、甲地に関する売買等は行っていない。よって、届出の対象となる「土地の売買等の契約」は乙地に関する契約のみであるが、乙地の面積は、届出対象面積未満であるから届出は不要である(23条2項1号)。

3 誤り。本肢は、Cが甲地を相続で、乙地を売買で取得し、一体の土地として利用することを目的としている点で、いわゆる「一団の土地」として、届出の必要か否かが問題となるが、相続は「土地の売買等の『契約』」に該当しないため、そもそも届出の対象とならず、一団の土地の面積に算入されない。乙地も肢2で述べたように届出は不要である。

4 正しい。Dが隣接する(物理的一体性)甲地及び乙地に一体として利用する計画(計画的一体性)のもとに、土地の売買契約等の契約を締結した場合、Dは届出対象面積(2,000㎡)以上である合計3,000㎡の「一団の土地」を取得したことになる。よって、権利取得者Dは、たとえ甲地、乙地単独の面積がいずれも届出対象面積未満であったとしても、合計面積が届出対象面積以上である限り、甲地、乙地それぞれの契約ごとに届出が必要である。