【問】 不動産の仮登記に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 抵当権設定の仮登記に基づき本登記を申請する場合に、その本登記について登記上利害関係を有する第三者があるときは、申請書にその者の承諾書を添付しなければ、当該本登記を申請することができない。
2 仮登記の申請に仮登記義務者が協力しない場合には、仮登記権利者は、仮登記手続を求める訴えを提起し、勝訴判決を得たときでなければ、単独で仮登記の申請をすることができない。
3 仮登記は、登記の申請に必要な手続上の条件が具備しない場合に限り、仮登記権利者が単独で申請することができる。
4 仮登記の抹消は、申請書に仮登記名義人の承諾書を添付した場合には、仮登記義務者が単独で申請することができる。
【解答】 正解 4
l 誤り。所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者がある場合、その第三者の承諾があるときに限り、申請することができる(同法109条1項)。しかし、所有権以外の権利の場合には、第三者の権利の登記を同時に抹消する必要はなく、このような制限はない。
2 誤り。仮登記を命ずる処分があるときは、仮登記の登記権利者が単独で申請することができる(同法107条1項)。必ずしも、勝訴判決を得る必要はない。
3 誤り。実体的物権変動は既に発生しているが、登記申請に必要な登記識別情報又は第三者の許可、同意もしくは承諾を証する情報を提供することができないとき(不登規則178条)は、いわゆる1号仮登記を申請することができる。
4 正しい。仮登記名義人の承諾があれば、登記上の利害関係人(利害関係を有する第三者及び仮登記の抹消の当事者)も、単独で仮登記の抹消登記を申請することができる(同法110条後段)。