【問】 甲県内に1事務所を有する宅地建物取引業者Aは、自ら売主となって、宅地建物取引業者ではない買主Bと5,000万円のマンション(以下この問において「物件」という。)の売買契約(手付金250万円、中間金750万円、残代金4,000万円)を締結しようとする場合の次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 手付金等の保全措置の概要については、契約が成立するまでの間に重要事項として説明しなければならないが、契約成立後交付すべき書面には記載する必要はない。
2 物件の建築工事完了前の契約であると工事完了後の契約であるとを問わず、Aが供託した営業保証金の額の範囲内であるから、中間金を受け取る前に保全措置を講じる必要はない 。
3 Aが宅地建物取引業保証協会の社員であるときは、物件の建築工事完了前の契約であっても、指定保管機関との間において、手付金等寄託契約を締結して手付金等保全措置を講じることができる。
4 Bは、Aが手付金等保全措置を講じた後は、手付金を放棄して契約を解除することができない。
【解答】 正解 1
l 正しい。手付金等の保全措置の概要は、重要事項として説明しなければならないが、37条の書面の記載事項ではない。
2 誤り。営業保証金の額の範囲とは関係なく、受領する手付金等の額が、代金の5%超えるとき又は1,000万円を超える場合は、保全措置を講じなければならない。
3 誤り。保証協会の社員で有るか否かを問わず、未完成物件については、銀行等による保証委託契約又は保証保険契約のいずれかの保全の方法に限られる。指定保管機関による保管の方法は完成物件についての保全措置である。
4 誤り。宅建業者が手付金等保全措置を講じたとしても、契約の履行に着手したことにならず、BはAが履行に着手するまでは、手付金を放棄して契約を解除することができる。