【問】 Aが、BからB所有の中古建物を買い受け引渡しを受けた場合に関する、次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、担保責任については、特約はない。

1 Aは、引き渡された当該建物が品質に関して契約の内容に適合しないものであったときは、Bに対し、目的物の補修による履行の追完を請求することができる。

2 Aは引き渡された当該建物が品質に関して契約の内容に適合しないものであったときは、必ず履行の追完の催促をしなければ、代金の減額を請求することはできない。

3 Bが品質に関して契約の内容に適合しない建物をAに引き渡した場合、Aがその不適合を知った時から1年以内にその旨をBに通知しないときは、Aは、その不適合を理由として、履行の追完の請求、代金の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。ただし、Bが引渡しの時にその不適合を知っていたときは、この限りではない。

4 BがAに当該建物を引き渡した場合において、その引渡しがあった時以後にその建物がAB双方の責めに帰することができない事由によって滅失したときは、Aは、その滅失を理由として、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 2

1 正しい。この場合、買主は、売主に対して履行の追完を請求することができる。ただし、買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは請求できない。

2 誤り。原則として追完の催告をし、追完がないときはその程度に応じて代金の減額を請求することができる。ただし、追完が不能であるときや売主が追完拒絶している等の場合は、買主は催告することなく直ちに代金減額の請求ができる。

3 正しい。種類又は品質の不適合の場合、買主がその不適合を知った時から1年以内に売主に通知しないときは、売主に責任追及できない。ただし、売主がその不適合を知っていたり、又は重過失によって知らなかった時は、責任追及できる。

4 正しい。引渡しがあった後に目的物が当事者双方の責めに帰することができない事由によって滅失等したときは、買主は売主に責任追及できない。