【問】 宅地建物取引業者がその業務に関して行う広告に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 いわゆるダイレクトメールにおいて、宅地建物取引業法第32条に規定する事項について著しく事実に相違する表示をしていても、誇大広告に当たらない。

2 宅地建物取引業者は、市街化区域における3,000平方メートルの宅地について、宅地の造成工事の完了前において分譲を行おうとする場合、国土利用計画法第23条第 1項の届出を行う前であっても、その宅地の分譲広告を行うことができる。

3 宅地建物の代金に関する金銭の貸借のあっせんについて、実際のものよりも著しく有利であると人を誤認させるような広告をしても、現実に売買等の契約が成立しな ければ、実害は発生していないので、宅地建物取引業法違反とはならない。

4 広告にあたって、宅地建物の環境に関する表示を行った場合、それが将来に関するものであれば、著しく事実に相違する表示であっても、誇大広告に当たらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 2

1 誤り。新聞、雑誌、車内掲示、店頭掲示、ダイレクトメール等、いずれの方法の広告も禁止の対象となる(宅建業法32条)。

2 正しい。宅建業者は、未完成の宅地建物については、一定の許可等の処分があった後でなければ宅地建物の売買その他の業務に関する広告をすることが禁止される(33条)がこの一定の許可等の処分には、国土利用計画法23条1項の届出は含まれていない(施行令2条の5参照)。

3 誤り。誇大広告とされるためには、現実に売買等の契約が成立すると否とを、また、実害が発生すると否とを問わない(32条)。

4 誤り。宅地建物の㋑利用の制限、㋺環境、㋩交通その他の利便については、現状の表示ばかりでなく、将来における状態の表示も誇大広告の対象とされている(32条)。