【問】 AがBに土地を賃貸し、Bがその土地上に建物を所有している場合の契約終了に伴う建物買取請求権に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。

1 AB間の借地契約が、公正証書により10年の事業専用の目的で締結された場合には、Bは建物買取請求権を有しない。

2 建物買取請求権は、契約終了の理由を問わず、Bの債務不履行を原因とする契約終了の場合にも、BはAに対して建物買取りを請求することができる。

3 BがAの承諾を得て土地をCに転貸し、建物を譲渡した場合、AB間、BC間の契約が、ともに期間満了し更新がなければ、CはAに対し直接建物買取請求権を有する。

4 Bが適法にAに建物買取請求権を行使すると、その所有権は直ちにBからAに移転するが、BはAが代金を支払うまで、建物の引渡しを拒むことができる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【解答】 正 解 2

1 正しい。事業用定期借地権の存続期間を10年以上30年未満とした場合は、更新規定、存続期間の延長、建物買取請求の規定は適用されない。

2 誤り。債務不履行による土地賃貸借契約解除の場合には、借地人Bは建物買取請求権を有しない(判例)。

3 正しい。借地借家法13条(建物買取請求権)3項のとおり。

4 正しい。建物買取請求権が行使された場合、買取請求権者Bの物件移転義務と賃貸人Aの代金支払義務とは、同時履行の関係に立つので(判例)、Bは、Aが代金を支払うまで建物の引渡しを拒むことができる。