【問】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した宅地の売買契約について、Bが宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、正しいものはどれか。

1  Bが、自ら指定したホテルのロビーで買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて何も告げられず、その3日後、Aのモデルルームで契約を締結した場合、Bは売買契約を解除することができる。

2  Bは、テント張りの案内所で買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて書面で告げられ、契約を締結した。その5日後、代金の全部を支払い、翌日に宅地の引渡しを受けた。この場合、Bは売買契約を解除することができる。

3  Bは、喫茶店で買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて書面で告げられ、翌日、喫茶店で契約を締結した。その5日後、契約解除の書面をAに発送し、その3日後に到達した。この場合、Bは売買契約を解除することができない。

4  Bは、自ら指定した知人の宅地建物取引業者C(CはAから当該宅地の売却について代理又は媒介の依頼を受けていない。)の事務所で買受けの申込みをし、その際にAからクーリング・オフについて何も告げられず、翌日、Cの事務所で契約を締結した場合、Bは売買契約を解除することができない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【問】  正解   1

l  正しい。申込をした場所と売買契約をした場所が異なる場合は、申込をした場所で決定する。したがって、ホテルのロビーで申込をしているので当該契約を解除できる(業法37条の2)。

2  誤り。撤回等ができる旨を書面で告げられた買主は、告知日より8日間は契約解除できるが、その期間内であっても「引渡しを受けかつ代金全部を支払った」場合は解除できない。

3  誤り。クーリング・オフについて書面で告げられたBは、8日以内に契約解除の書面を発すればその時に解除の効力が生ずる。Bは5日後に発送しているので解除できる。

4  誤り。宅地の売却について代理又は媒介を受けていない宅建業者の事務所は「事務所等以外の場所」となる。したがって、Bは当該契約を解除できる。