【問】 共有に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 共有者の一人が共有物の全部につき使用収益する旨の合意が成立しているときは、他の共有者は、共有物の分割を請求することはできない。

2 共有者の一人が相続人なくして死亡したときは、その持分は、他の共有者に帰属する。

3 共有物は、共有者の契約により、5年を超えない期間内分割をしないこととすることができる。

4 各共有者は、他の共有者が分割によって取得した部分につき、売主と同じくその持分に応じて担保責任を負う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔問〕 正 解 1

1 誤り。共有者の一人が共有物の全部につき使用収益する旨の合意が成立しているときでも、共有物を分割しない旨の契約がなければ、他の共有者は、共有物の分割を請求することができる(256条)。

2 正しい。共有者の一人がその持分を放棄したとき又は相続人なくして死亡したときは、その持分は他の共有者に帰属する(255条)。ただし、特別縁故者に共有財産を分与すべきとき(958条の3)は、他の共有者に優先して特別縁故者が取得する(判例)。

3 正しい。共有者は5年を超えない期間内分割をしない旨の契約をすることができる(分割禁止特約・256条1項但書)。尚、この期間は、5年を超えない範囲で更新することができる(同条2項)。

4 正しい。各共有者は他の共有者が分割によって得た物につき売主と同じくその持分に応じて担保の責任を負う(261条)。