【問】 定期建物賃貸借に関する次の記述のうち、借地借家法38条の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 賃貸人は、あらかじめ、賃借人に対して契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。

2 床面積が200㎡未満の居住用建物において、転勤、療養等のやむを得ない事情により、賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、賃借人は建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合において、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から3月を経過することによって終了する。

3 定期建物賃貸借期間を10月と定めた場合において、賃貸人は期間満了前の一定期間内に賃借人に対し期間の満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなくても、その終了を賃借人に対抗することができる。

4 定期建物賃貸借をする場合において、書面等で契約の更新がない旨を定めることができるが、この場合、賃貸人の正当事由は必要とされていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔問〕 正 解 2

1 正しい。問題文のとおり。貸主がこのような説明義務に違反した場合、定期建物賃貸借とはならず、通常の更新を予定した賃貸借となる(38条2・3項)。

2 誤り。床面積が200㎡未満の居住用建物において、転勤、療養等のやむを得ない事情により、賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、賃借人は定期建物賃貸借の解約を申入れることができるが、この場合、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1ヵ月を経過した日に終了する(38条5項)。

3 正しい。定期建物賃貸借期間が1年以上である場合には、賃貸人は期間満了前の一定期間内に賃借人に対し期間の満了により賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない(38条4項)が、期間が1年未満の場合は、通知をしなくても、その終了を対抗できる。

4 正しい。定期建物賃貸借をする場合において、書面等で契約の更新がない旨を定めることができるが、更新を行わないことについて賃貸人の正当事由は必要でない。