【問】  国土利用計画法の届出(以下この問において「届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 注視区域内における一団の造成宅地を第一期、第二期に分けて分譲する場合において、それぞれの分譲面積が届出対象面積に達しないときは、その合計面積が届出対象面積に達しても届出をする必要はない。

2 監視区域の指定を解除する旨の公告があった場合において、当該解除に係る区域内の土地について土地売買等の契約を締結したときは、一切届出を行う必要はない。

3 土地の所有権を6カ月以内に移転する旨の売買契約を行い、所有権移転請求権を取得した者が、その旨の届出をし、その後、届出に係る事項を変更することなく当該請求権を行使して所有権を取得する場合、改めて届出を行う必要はない。

4 国土利用計画法第23条第1項の規定に違反して、土地売買等の契約の締結について届出をしなかった場合には、その契約が無効になるだけでなく、契約の当事者が懲役に処せられることがある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【問】 正 解 3

1 誤り。注視区域内における事前届出の場合には、「買い集め」のみでなく、売主等が所有地を分割して売却する「分譲」の場合も「一団の土地」取引に該当する。

よって、分譲前の土地の合計面積が届出対象面積に達する場合には、届出が必要である(27条の4第2項1号)。

2 誤り。監視区域や注視区域の指定が解除された後の同区域は、それらの区域の指定のない区域として事後届出制の対象となる。よって、事後届出制の届出対象面積に達する土地売買等の契約を締結した場合は、届出が必要である(23条1項・2項)。

3 正しい。本肢の所有権移転請求権の行使は形成権の行使であり、「土地売買等の契約」に該当しないので、改めて届出を行う必要はない(23条1項、14条1項)。

4 誤り。土地売買等の契約の締結について届出をしなかった場合、6月以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられることがある(47条1号)が、その契約の効力には影響がない。また、国土利用計画法23条の事後届出においては、届出義務者は契約当事者のうちの権利取得者のみであるから、届出を怠った場合に刑罰の対象となるのは、当事者のうちの権利取得者のみである。