取得時効と登記

とことん覚える!【重要度B】
(イ) 取得時効の完成時所有者に対しては、登記がなくても時効による権利の取得を対抗できる
※例えば、甲所有の土地をAが占有して取得時効が完成した場合、Aは、登記を得ていなくても土地の所有者甲に所有権を主張できる。また、時効完成前に甲が乙に土地を譲渡(売買、贈与、相続)したとしても、Aの時効が完成すればAは登記がなくても土地の所有者乙に所有権を対抗できる(乙の登記が時効完成の前であろうと後であろうとかまわない)。

(ロ) 取得時効の完成後は、登記をしなければ第三者に対抗できない(177条、判例)。
※先に述べたように、Aの取得時効が完成すればAは登記がなくても所有者には対抗できるが、その所有者が第三者に譲渡(相続は除く)してその第三者に登記がなされた場合は対抗できない(Aと第三者の争いは、登記が対抗要件となる)。