抵当権の消滅

(1) 時効消滅に関する特則
抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その抵当権によって担保されている債権と同時でなければ消滅時効にかからない(民396)。
※ 抵当権付きの不動産を取得した第三者との関係では抵当権そのものが債権とは関係なしに、20年で消滅時効にかかる(判例)
(2) 取得時効の完成による消滅
債務者又は抵当権設定者以外の者に抵当権付き不動産の取得時効が完成したときは、抵当権はそのことによって消滅する(民397)。
(3) 地上権又は永小作権を抵当とした者がその権利を放棄しても、これによって抵当権者に対抗することができない(民398)。

抵当権の消滅

共同抵当

同一の債権の担保のため、数個の不動産の上に抵当権を設定することができる(392条)。
※ 共同抵当において数個の不動産から同時に配当を受ける場合は、各不動産の価格に応じて優先弁済を受ける金額を按分することになっている。したがって、抵当権者の選択によって、一部の不動産の代金のみから優先して配当を受けることはできない