【問】 宅地建物取引業者Aが自ら売主として、宅地建物取引業者である買主Bと建売住宅(価格6,000万円)の売買契約を締結した場合に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反しないものはいくつあるか。
イ 当該売買契約を締結する際、手付金の額を300万円としたが、Bに持ち合わせがなかったので、Aは、Bに300万円を貸与することで契約の締結を誘引した。
ロ 当該建売住宅が工事完了前の物件であり、売買契約を締結したときには、建築確認申請中であった。
ハ ABの合意により、損害賠償額の予定について1,000万円、さらに違約金として1,200万円とする旨定めた。
ニ AはBの同意を得て、重要事項を記載した書面の交付を省略した。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 なし
【解答】 正解 1
イ 違反する。本肢の記述は、手付について貸付けその他信用の供与をすることにより、契約の締結を誘引する行為にあてはまる(宅地建物取引業法47条3号)。
ロ 違反する。宅地建物取引業は、建築確認が必要な物件について、その確認を取得してからでないと、売買などの契約を締結してはならない(36条)。
ハ 違反しない。宅地建物取引業者が買主となるときは、損害賠償額の予定の制限の規定は適用されないので、当該特約は有効にすることができる(38条)。
ニ 違反する。売主である宅地建物取引業者は、買主も宅地建物取引業者である場合、重要事項の説明については説明を要しないが、重要事項を記載した書面の交付はしなければならない(35条)。
よって、違反しないものはハの一つであり、1が正解となる。