【問】 宅地建物取引業者A社が、自ら売主となり、宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した建物の売買契約について、Bが宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づき、いわゆるクーリング・オフによる契約の解除をする場合における次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 Bは、喫茶店で買受けの申込みをし、その際にA社からクーリング・オフについて何も告げられず、翌日、A社の事務所で契約を締結した。その後、Bが、代金の全額を支払った場合は、Bが、当該建物の引渡しを受けていなくても、Bは売買契約を解除することができない。
2 Bは、自ら指定したBの勤務先で買受けの申込みをし、その際にA社からクーリング・オフについて何も告げられず、翌日、A社の事務所で契約を締結した。この場合、Bは売買契約を解除することができる。
3 Bは、自ら指定した知人の宅地建物取引業者C社(C社はA社から当該建物の売却について代理又は媒介の依頼を受けていない。)の事務所で買受けの申込みをし、その際にA社からクーリング・オフについて何も告げられず、その2日後、A社の事務所で契約を締結した。この場合、Bは売買契約を解除することができる。
4 Bは、ホテルのロビーで買受けの申込みをし、その際にA社からクーリング・オフについて書面で告げられ、その2日後、喫茶店で契約を締結した。その5日後、Bは、契約解除の書面をA社に発送し、その2日後に到達した。この場合、Bは売買契約を解除することはできない。
【問】 正解3
1 誤り。買主が、宅地・建物の引渡しを受け、かつ、代金の全額を支払ったときは、買主は、もはやクーリング・オフできない。本肢では、買主Bは、建物の引渡しを受けていないので、クーリング・オフできる。
2 誤り。買主が、自ら申し出た場合の自宅・勤務先で買受けの申込みをした場合は、クーリング・オフできない。
3 正しい。代理・媒介の依頼を受けていない(当該取引に関与していない)知人の宅建業者C社の事務所は、クーリング・オフの適用がある「事務所等以外の場所」である。よって、Bはクーリング・オフできる。
4 誤り。クーリング・オフの効力は、買主が書面を発したときに生じる(発信主義)。本肢では、Bは、自ら売主業者から、クーリング・オフできる旨等を書面で告げられた日から8日間を経過するまでに、クーリング・オフの書面を発している。よって、Bはクーリング・オフできる。