【問】  根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 根抵当権は、根抵当権者が債務者に対して有する現在及び将来の債権をすべて担保するという内容で、設定することができる。

2 根抵当権の極度額は、いったん登記がされた後は、後順位担保権者その他の利害関係者の承諾を得た場合でも、増額することはできない。

3 登記された極度額が1億円の場合、根抵当権者は、元本1億円とそれに対する最後の2年分の利息及び損害金の合計額につき、優先弁済を主張できる。

4 根抵当権の被担保債権に属する個別の債権が、元本の確定前に、根抵当権者から第三者に譲渡された場合、その第三者は、当該根抵当権に基づく優先弁済を主張できない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔問〕 正 解 4

1 誤り。根抵当権は、不特定の債権を担保の対象とするが、債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定する必要がある。すべて担保するというような無限定のものは許されない(398条の2)。

2 誤り。登記された後であっても、後順位担保権者その他の利害関係者の承諾を得れば、極度額を変更することができる(398条の5)。

3 誤り。極度額とは、根抵当権における優先弁済の上限枠を示すものである。極度額以内であれば利息も無制限に担保されるかわりに、極度額を超えて元本及び利息が担保されることはない(398条の3)。

4 正しい。普通の抵当権であれば、被担保債権が譲渡されると抵当権もこれに随伴して移転する。しかし、根抵当権の場合、元本の確定前に債権が譲渡されても、根抵当権は随伴しない(398の7)。元本の確定前は、付従性も随伴性もない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔問〕 正 解 4

1 誤り。根抵当権は、不特定の債権を担保の対象とするが、債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限定する必要がある。すべて担保するというような無限定のものは許されない(398条の2)。

2 誤り。登記された後であっても、後順位担保権者その他の利害関係者の承諾を得れば、極度額を変更することができる(398条の5)。

3 誤り。極度額とは、根抵当権における優先弁済の上限枠を示すものである。極度額以内であれば利息も無制限に担保されるかわりに、極度額を超えて元本及び利息が担保されることはない(398条の3)。

4 正しい。普通の抵当権であれば、被担保債権が譲渡されると抵当権もこれに随伴して移転する。しかし、根抵当権の場合、元本の確定前に債権が譲渡されても、根抵当権は随伴しない(398の7)。元本の確定前は、付従性も随伴性もない。